本当の君

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Aside




とりあえず、契約書の修正と領収書の精算を済ませ忍者付箋の持ち主を待った。






デスクで朝、コンビニで買って来たおにぎりを頬張る。
やっぱりツナだよね。





経理部署に無人にしちゃいけないらしく
いつも私が残る事になった。
別に一緒にお昼を食べる友達とかいないからいいんだけどね。






『 すいませーん！』




いきなり聞こえた声にゆっくりパソコンの上から顔を出すと、今流行りのツーブロックの髪型で口髭の男性が経理部署の入り口のカウンターに両手をついていた。







『 あ、すいません！今日、急ぎの契約書を出した今市です。受け取りに来ました！』





目尻を下げて口角を上げ笑顔を私に向けた。







「 リカさんから預かってます。あと契約書が間違ってたみたいなので直しましたって言ってましたよ。 」






どうぞと言って、書類を渡す。
自分でやったのに、他人がやったみたいな言い方。こうしないと受け取った側が私の顔を見て項垂れる。

長年勤めてわかった事。
人は見た目が100%ととは、よく言ったものだ。







『 え？マジ！？いつもありがとねー！ 』


「 伝えておきますね。」






この人が忍者付箋の持ち主か…。
にしても、なんだ…人の顔をガン見して。





いきなり、ふんっと鼻で笑ったあと口元を抑えた忍者付箋。





『 ご、ごめww、いやAさんってお堅い人かと思ってたからさw 口元にご飯粒ついてるよ。』





そう言って、私の口元についたご飯粒を取り……



た、食べた………。





『 じゃ、ありがとねーAさん 』


「 あ、お、お、疲れ様でした…。」






うわ〜、いい歳してご飯粒……最悪だ。


え？ってかさ、食べる？ありえなくない？
忍者付箋って、、、チャラ男？









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