本当の君

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Aside



また憂鬱な月曜日が始まる。





目覚ましを止めてベットから起き上がり、
寝巻きを脱ぎ捨てて出勤の準備をする。




後ろ髪を一本にまとめて、
前髪を七三分けにし、
ハードスプレーでガッチリ固定。




「 今日も素晴らしい七三分けですね。Aさん 」




鏡に向かって独り言を言ってみたりして。
洗面台に無造作に置いた眼鏡を取り、






「 これで完成。」






鏡には、グレーのパンツスーツで七三分けの薄化粧の黒縁眼鏡の女。まさに地味子。







週末に楽しむ為に我慢と自分に言い聞かせ家を出る。








会社が近いっていいなー。
10分も歩けば勤め先のLDHカンパニー。
私は、ここで社長秘書をしております。







なんてね。経理課の平社員です。
主に領収書などを精算したり契約書の金額確認等をする仕事。

経理課は、見た目で仕事が割り振られる。

1番人気は、先輩のリカさん
2番人気は、後輩のチエミちゃん





『 リカさーーん 』


『 チエミちゃーん 』





ほら業務が始まって早々、営業課の男共がやってくる。


『 はーい♡』


語尾に♡をつけた甘い声。




ぶっちゃっけ言っていい？



【 う ざ っ 】








男共がいなくなると、私のデスクにさっき持って来たであろう領収書と契約書などが山積みとなった。





『 Aさん、手伝って (下さい。) 』


「 はい。 」





うざい、自分でやれって言えれば最高なんだけどな…。






パソコンに領収書を打ち込み、間違いがあれば同僚の2人に渡す。

仕事を受け取るのは、綺麗な子。
作業をするのは、地味子。








「 リカさん、これ間違ってますけど… 。 」



パソコンから目線を離し頭を上げ周りを見ると誰もいない…お昼休みまであと少し…って時には、もう私の部署には、私しか残らない。






期日ギリギリに持ち込まれた領収書と明日使うであろう契約書。
書類には、しっかりと付箋が貼られてた。




【 昼休み前に契約書だけ取りに行きます。今市 】






男性にしては、綺麗な文字が並んだ忍者の絵がプリントされた付箋。

このシリーズ可愛いんだよね。
私も持ってる。使う時なんてほぼないんだけど。





「 今市さんか……。 」









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