甘美な日々【ＨＱ短編集】

１５．いちごみるく【澤村大地】 ページ16

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今日は大地と、私の家で勉強会。


大地は、運動ができて頭も良くて、尚且つすごく優しい完璧に等しい。


そんな彼との勉強は、あまり休めない。






『…大地、ここわかんない』




「ん？…あぁここは、〜〜〜」




『おぉ…すごいわかり易い。ありがとう』




「おう」






その問題が解けて、チラッと時計を見ると１８時を示していた。


勉強を始めて１時間半経った。


それでも一行に勉強を辞める気のない大地を見て、はぁと溜息をついた、


そして教科書に向き合おうとした時。







「よし、ちょっと休むべ！」




『え！？』




「え？…まだ出来んのか？」




『あ、いやそうじゃなくて…』






私がそういうと、ニコッと笑い学校カバンを漁り出した。





「はい、あげる」





そう言って渡されたのは、いちごみるく味の飴だった。






『大地が飴！？』




「いや俺は人間。」




『あ、ごめん違くて。

なんでいきなり？』




「前Aがいちごみるくを美味しそうに飲んでたから。

買っといたんだ」




『え。ありがとう…』






流石の観察眼と言うべきか。


私はその飴をゆっくりと口の中に入れた。






『…甘い』




「それはよかった」






そう言って優しく笑う大地を見たからか、余計甘く感じた。

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