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その後ベクとランチの約束をして、普通に業務に取りかかった。
まだプロポーズされた事やアメリカに行く事は誰にも知られたくなかった。
けれど、ベクには何故かバレてしまったし、唯一の親友のソアには言うことにした。
給湯室でばったり会ったソアに手招きをすると、何かを察したようにニヤニヤと私の口元に耳を近付ける。
ナイス、さすが私の気持ちもわかってる。
声を潜めて、周りに誰も居ないことを確認して。
「…セフニにプロポーズされた。」
SA「えええええーーー！！！良かったじゃんA！！！」
「ちょ、声大きい！」
コーヒーを零しそうになってるソアを慌てて宥めて、次の言葉を紡ぐ。
「でも、同時にアメリカ行きも決まった。セフニの転勤で。」
SA「ええええーーー！！！」
「だから声大きいって！」
相変わらず落ち着く気配のないソアをまた宥めて、コーヒーを飲む。
ソアは大きな目をぱちくりさせながら私を見つめた。
こういう時のリアクションも可愛いから、チャニョルさんにすごく愛されてるんだろうな…。
SA「えええ、まって、アメリカ行くの…？私をおいて！？」
「行きますよ、妻ですもん。」
SA「ソアちゃん寂しいんだけど…。」
泣いたふりをしながら愛嬌を振りまいているけれど、これはソアが強がってる時のクセだ。
たぶん本当はとても寂しがっているから、少し悪い気もする。
「ソアは？チャニョルさんと順調？」
SA「よくぞ聞いてくれました！順調です！」
ビシッと敬礼ポーズをして、ニヤニヤ笑ったソア。
その調子でチャニョルさんと幸せになってほしいな。
SA「それにしてもAに先越されるなんてなー。高校の時、ベクと一緒に『誰が一番に結婚すると思う？』なんて話してたよね。」
「あーしたした。その時は絶対ソアだと思ってた！」
SA「ほんと？私はAだと思ってたよ、モテるし。」
「いやいやモテてなかったじゃん私。」
ふふ、と顔を見合わせて笑って、少し時間が経ってしまった。
あまり話が盛り上がりすぎると自然と声も大きくなってしまい、そろそろ戻らないとみんなに迷惑がかかる。
たまたま通りかかったベクに『うるさいぞー』なんて注意されたので、ソアも一緒にランチに誘って給湯室を後にした。
定期的に幼馴染会もやらないとね。
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作者名：nel_ | 作成日時：2019年12月15日 23時
