【EXO】お得意さま #2 (ページ43)

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TM「…Aさん？おひとりですか？」

「あ…はい。」

声をかけられて顔を上げると、優しく笑う綺麗な男性。

…テミンさんだ。

TM「…ご一緒しても？」

ふわりと笑って私を見つめるテミンさんに、嫌とは言えなくて。

「…私でよければ、どうぞ…。」

そう小さく呟くと、テミンさんはぱぁっと効果音が付いたみたいに笑って私の目の前に座った。

TM「…断られるかと思った…！よかったぁ。」

…そんなに私と一緒に居れることが嬉しいのかな…？

よく分からないけれど、悪い気はしない。

……初めの時セフニはこんなに喜んでくれなかったし…。

それどころか初対面の時なんて、ずっと睨まれてた気がして怖かったんだから！

TM「楽しそうですね？さっきから一人でニヤニヤしてますよ。」

「えっ……！！すみません、気持ち悪いですよね！」

まさか、表情に出ていたなんて…。

恥ずかしいし、頭の中はセフニでいっぱいだしどうすればいいの！

…私、ちゃんとセフニのこと忘れられるのかな…。

TM「あの、…少しでいいので、僕に興味を持ってくれたら嬉しいなー…。」

上目遣いで小さな声で呟いたテミンさん。

「あ、すみません…？テミンさんのお話聞きたいです！」

口をついて出たのは、自分でもびっくりするくらい肯定的な言葉だった。

お見合いの時なんてとても酷い態度を取ったのに、こうして嫌な顔せず傍に居てくれるテミンさん。

………もうセフニなんて知らない。

これはただのお友達…？お友達との食事だから、何も悪いことはして無い！

そう自分に言い聞かせて、テミンさんと昼食を楽しむことにした。

TM「彼氏さんとはうまくいってますか？」

ちょっとこっちを見て、綺麗な眉毛をあげて私に視線を寄越した。

口元には余裕そうな笑みを浮かべている。

「…はい、まぁ…。」

TM「…何だか煮え切らないですね。あの時だったら僕ビンタされてましたよ？」

ふっ、と笑ってまた食事に手をつける。

天使みたいな顔をしているけれど、心の奥底では何を考えているんだろう。

TM「そんなに見つめなくても、すぐ僕が迎えに…いや、貴方から来ますから。」

…あぁ、私は弱みを握られてる。

私が結婚に焦ってる事も、セフニとの事も全部見透かされてるんだ。

私の弱すぎる心がゆらゆら揺すられて、もうどうにかなってしまいそう。

私はテミンさんの甘い罠にかけられてるんだ。

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