【EXO】お得意さま #2 (ページ49)

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そして恐ろしいほど綺麗に唇に弧を描いた。

…その顔は、見たことがある。

BH「……だったら俺にもチャンスはある。」

どうしよう、ベクもテミンさんの二の舞だ。

「…意味わかんないんだけど。」

BH「俺もヘタレじゃないってこと分かっただろ？」

「それシラフで出来た？」

BH「うっ…それは、」

アルコールに任せて気を大きくするのは良いけど、本当に勘弁してほしい。

どうするの、セフニとの事。

もう取り返しのつかない事になってるんじゃないの…。

BH「今セフンさん、俺とAが付き合ってるって誤解してるよ？」

「んなこと知ってる！」

BH「だったらどうしたいんだよ。」

「…はあ？」

BH「もうセフンさんのこと好きじゃない、諦めるって言うんならそのままでいいよ。…でも、誤解解きたいだろ？」

「…、私、は…。」

BH「…だからちゃんと話せって。悔しいけど、セフンさんと居る時のお前、俺と居る時より楽しそうだもん。」

少し困った顔をして微笑んだベク。

……こんなにも私の事を想ってくれる人がずっと近くに居たんだ。

ちゃんと、セフニと話したい。

傷付くのが怖くて何も出来ないのはもう嫌だ。

このままだと本当に大切なものを失ってしまう。

だからどうか、失う前にもう一度私の気持ちを伝えなきゃ。

「……ありがとう、ベク。」

BH「ん、いいってことよ！じゃあ今日はAの奢りだな！」

「…それは嫌。」

そう言うと明らかに不機嫌そうにむくれた。

さあ、もう温いビールなんて飲んでられない！

私は近くを通りかかったお姉さんを呼び止めた。

「お姉さん、生追加で！」

BH「まじで程々にしとけって。」

窘めるベクを払い除けて、キムチチヂミを頬張る。

BH「……そういうとこも好きだったんだよな…。」

小さな声で少し俯いて言ったけれど、ちゃんと聴こえたよ。

でもこういうのは、聴こえないフリをしておくのが暗黙の了解でしょう。

「…聴こえなかった。」

BH「…言っておくけど払わないから潰れるなら先にセフンさん呼んどいた方がいいよ。」

「こんなに酔ってるのに真剣な話出来ないって。…ん、チヂミうま。ベクも食べな～。」

BH「A～、あーんして。」

「ジョンインくんでも乗り移った？」

ベクもベクで色々吹っ切れたんだな。

複雑だけれど、ちゃんと前に進めているのなら良かった。

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