【EXO】お得意さま (ページ32)

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ジュンミョン部長の運転によってソウルに向かっていた私たち。

もう車に乗ってから随分経ったのに、渋滞で全然進まない。

やっとソウルの本社近くに来た時には、時計の針はてっぺんを指しそうだった。

JM「病み上がりなんだし少しでもゆっくりした方がいいだろうから、先にベッキョンくんを送るね。」

「はい、お願いします。」

…肝心の本人は寝てる。

JM「というか僕Aちゃんの家知らないんだけど…。」

「あ、そうですよね。近くなったら案内します。」

JM「うん、お願いします！」

こんなに夜遅くなのに、相変わらず元気な部長。

疲れてるだろうに嫌な顔ひとつせず部下のために来てくれるなんて、本当にいい人だ。

JM「Aちゃん、セフニとは上手くやっていけそう？」

ちょっと眉毛をあげて、視線を寄越したジュンミョン部長。

「はい。…まあ。」

少しは心を開いてくれたかなって思ったのに、また冷たくされて、また優しくされて。

セフンさんのことを考えると心がぐちゃぐちゃになる。

JM「…なら、よかったけど。困ったことがあったら何でも言ってね。相談に乗るから。」

いつもみたいにふわふわ笑うジュンミョン部長だけど、大きくてぱっちりした目はしっかりと私を見据えていて。

「…はい。」

なんだか緊張して口ごもっていたら、いつの間にかベクの家に着いていた。

JM「悪いけどベッキョンくん起こしてくれる？」

BH「…もう起きてる。」

寝起きで不機嫌なのか、口を尖らせたベクが私に言った。

「あ、じゃあ気をつけて。また明日。」

BH「…相変わらず素っ気ないな。ムカつく。」

JM「こらこら、喧嘩しない。じゃあベッキョンくんお疲れ様。今日はしっかり休んで明日からまたお願いね。」

BH「はい、お疲れ様です。送って頂いてありがとうございました。」

そう言って部長に軽く頭を下げると、私に一瞬視線を移して車から降りた。

隣りの空いた後ろのシートがやけに広く感じる。

JM「そういえばミンソギの昇格祝いの飲み会だけどさ～」

「え、それ本気でやるんですか。」

完全に冗談だと思っていた私は慌てて部長に聞き返す。

JM「僕はいつだって本気だよ！それで、ミンソギがお世話になったお得意先と合同でやることになって。チャニョリと一緒に幹部よろしくね！」

…そんな。

私幹部なんて向いてないし、何よりセフンさんに会うのが気まずいよ…。

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