【EXO】お得意さま (ページ29)

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「ベク何言ってんの、相当熱高いのね。さっさと寝て早く直して。」

そう言ってベクの手を引いてベッドに向かう。

「本当に熱いね。すぐご飯作るから。」

ベクは大人しく頷いた。

…なんだか、いつもみたいに憎まれ口を叩かれないのが寂しかった。

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家に持ち帰っていた仕事を終わらせ、夕食の準備をしていた。

一応朝も昼もベクのためにお粥は作ったし、美味しいって言ってくれた…けど。

こんな時のために日頃からご飯の手伝いをしておくべきだった。

…ギョンスオッパ、私も明日から夕食作るの手伝います。

そう思っていた時、スマホが軽快な呼び出し音と共に震える。

画面には"ギョンスオッパ"の文字。

「ヨボセヨ？オッパどうしたの～？」

GS「仕事終わったから連絡した。A帰るの何時になりそう？」

「んー、ベクにご飯食べさせてから、ジュンミョン部長を待つことになるから時間が読めない…。」

GS「…まって？よく分からないワードが沢山出てきたけど。まずベクにご飯食べさせるって何。」

ギョンスオッパが混乱してると思ったら、キツい口調で問い詰めてくる。

「同期で一緒に出張来たベクが熱出したから看病してる。」

GS「…そんなの社会人なんだから自分でなんとかさせろよ…。で、ジュンミョン部長を待つって言うのは？」

「電車で帰るのしんどいだろうからってジュンミョン部長が迎えに来てくれる。」

GS「…タクシーで帰ればいいだろ…。というか先に言ってくれれば僕が迎えに行ったのに。」

ぶつぶつと文句を言うオッパ。

…心配性も度が過ぎると厄介だ。

「大丈夫だよ。…ご飯の準備があるから切るね。」

GS「ちゃんと出来るの？火と刃物には気をつけるんだよ。あと…」

オッパのお小言が始まりそうだったから聞いてない振りをして電話を切る。

ごめんねオッパ。

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夕食を持って部屋のドアをノックする。

「ベク～ご飯出来たよ～。」

静かにドアを開けると、ベクはベッドで眠っていた。

起こすのも悪いけど、ご飯が冷めるのも嫌だな…。

ベクの顔を見てあれこれ考える。

BH「…A…。」

「あ、起きた？」

って、寝てる。

なんだ、寝言か。

BH「…好き…、」

なるほど、「A、好き、」ね。

…は？

その文のまま受け取ると、大変なことを告白したことになるけど？

いやいや、まさかねえ。

「ベク！寝ぼけてないで起きなさい！」

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