【EXO】お得意さま (ページ28)

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優しいセフンさんのおかげでなんとかお休みを貰えた。

次はジュンミョン部長に連絡を入れよう。

…何となく気乗りしないけれど、連絡しないといけないしなぁ。

いつもの軽快な呼び出し音が恨めしく感じる。

JM「ヨボセヨ？キム・ジュンミョンです。」

「部長、お疲れ様です、Aです。」

JM「Aちゃん？どうしたの～何かあった？」

相変わらずふわふわした部長の声。

「同行しているビョン・ベッキョンなんですが体調不良で休ませまして…。私もお休みを頂いてしまったのでその連絡です。ご迷惑をおかけして申し訳ないです。」

JM「えーそうなの！ベッキョンくんは大丈夫？とりあえず僕からもお得意先に連絡しとくから心配しないで～。」

もっと怒られるかと思ったけれど、案外そんなこともなく。

「部長、ありがとうございます！次から挽回出来るように頑張ります！」

JM「うん、程々に頑張ってね。あと帰りなんだけど、電車で帰るの大変でしょ？僕が迎えに行くから心配しないでね～。」

予想外の申し出に驚きを隠せない。

「えっ大丈夫です電車で帰れます！」

JM「遠慮しないで！じゃあベッキョンくんのことよろしくね！僕は仕事に戻ります～。」

「え、ちょっと！部長…！」

…切れた。

ジュンミョン部長、気が利くし心は広いし頼りになる、…けど。

…自分の決めたことは曲げない人だった。

BH「…電話終わったー…？」

気付くとドアにもたれ掛かるベクがこちらを見ていた。

「起きてて大丈夫なの？すぐベッド行くから休んでて。私も休み貰ったから。」

BH「マジかよ…、ほんと、ごめん。」

…いつもなら絶対謝らないベクが素直だ。

不謹慎だけどちょっとかわいいな。

「今日はやけに素直なのね。いつもそうなら少しは可愛げがあっていいのに。」

いつものベクなら憎たらしく反撃してくるだろう。

だけど、そう思っていた私の考えは甘かった。

BH「…いつも素直なら、俺の事かわいいって思うの？」

真っ赤な顔で目をとろんとさせて、上目遣いで見つめてくる。

…熱でおかしくなってるわ、この子。

「…そうね、もっと私に敬意を持ったら？」

弱気なベクなんて珍しいからちょっとイタズラしたくなってきた。

BH「…いつも、思ってるよ。仕事熱心な所とか、ちょっと自分にだらしない所とか、ずっと見てたから。…そういう所、俺は好きだな。」

…ダメだ、風邪って怖い。

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