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ここはバルコニー。
後ろは真っ暗の森で落ちたらまず助からないし、もし助かってもその先で生きていられる可能性は低い。
どんどん追い詰められた私は選択肢を失って、捕まって牢で過ごすか今落ちて死ぬかの二択になってしまった。
じりじりと兵士たちとの距離が縮まる中、ジョンイン王子の他に煌びやかな服を身にまとった人物と目が合った。
CY「A、残念だけれど大人しくして。死ななければやり直せるよ。」
「…オッパ、」
手を差し伸べるオッパに、縋りたい気持ちが膨らんでいく。
…でも、自分の気持ちを閉じ込めてまた人形みたいに生きるのは、果たして本当に幸せなのだろうか。
自分の意志じゃ何も出来ない、ただの置き物みたいな生活。
それならいっそ、人生の最後に一つだけ、自分の意志で選択してみるもの面白いかも知れない。
…あぁ、追い詰められてるのにどうしてこんなにも余裕があるんだろう。
「…言うことを聞くだけの人生はもう終わりよ。私はこれで自由だわ。」
窮屈なヒールは脱いで、バルコニーに足をかける。
あの月に手を伸ばして、宙に身体を預ければ私の人生は終わり。
…さよなら、
どうかギョンスが無事で、母国で幸せに暮らせますように。
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すっと、意識が飛んでからどのくらい経っただろうか。
ドレスは汚れていないし、身体も痛くない。
…何があったか段々と思い出してきた。
DO「…全く。無茶にも程があるよ、お姫様。」
気付けばギョンスにお姫様抱っこされていた。
「ギョンス…！」
すぐに飛び降りて、真正面からぎゅうぎゅうと抱き締める。
「良かった、本当に良かった！」
声も涙も抑えずにわんわん泣く私に、ギョンスは呆れたようにため息を吐いた。
それでもやっぱり腕をまわして、頭を撫でてくれるギョンスは優しい。
「私、追われる身になったからもう姫じゃない！でもこれで自由の身よ！」
DO「…ふふっ、そうだね。」
優しく笑ったギョンスに、心から幸せを感じた。
「…私、ギョンスの事が好きだよ。」
木々から零れる月明かりに照らされて、ギョンスがいつもより儚く見える。
DO「…本当に、Aは鈍感だね。Aが気付く前から分かってたよ。」
今ではその少しひねくれた性格も、素直じゃない所も大好きだ。
「…返事、聞かせてくれるかな。」
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…！！今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした！！これからも応援しています！ (2020年3月24日 16時) (
レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nel_ | 作成日時：2020年2月2日 1時
