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私の髪の毛をすくギョンスの表情は、憂いを帯びていて美しい。
頬に手が添えられたら、どちらかともなく口付けを交わした。
DO「…ごめんね。もう会えない。」
ふっと、少し悲しそうに笑いを含んだら私に背を向ける。
何故かそれが永遠の分かれのように思えて、引き止めたい気持ちが私を襲った。
けれど、その手を掴んでしまったらもう戻れない。
心臓の音が警告をするようにうるさく鳴り響いて、ただギョンスの後ろ姿を見つめることしか出来なかった。
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好きでも嫌いでも、私の気持ちは尊重されない。
決められた相手と無理やり結び付けられて、抵抗出来ずに終わる。
…もう、私が本心で好きになれた人とは会えない気がした。
「…ギョンス、」
静かに名前を呼べば、すぐにでも会いに来てくれそうなのにな。
大きな部屋に消えた私の声は、孤独を感じさせた。
――コンコン。
孤独だった部屋にノックの音が響く。
CY「A？オッパだよ、開けて。」
部屋の外でチャニョリオッパの明るい声がして、急いでドアを開ける。
「オッパ、どうしたの？」
チャニョリオッパが眩しく照らす太陽なら、ギョンスは優しく包み込む月だろうか、なんて。
秘めた思いに蓋をして、姫として凛々しく居なければいけない。
オッパは黙ったまま私を見つめて、まるで何かを試すような視線を向ける。
…沈黙が重い。
先に口を開いたのはオッパで、その発言は私の冷静さを崩すのには十分だった。
CY「…昨日、誰かと会った？」
明るかったオッパは、一瞬で冷たい視線を私に向けて問い詰める。
「どう、して…？」
昨日はずっと宮殿に居たけれど、ギョンスが来てくれた。
それだけで昨日という一日が特別なものになった。
オッパの大きな瞳は笑っているけれど、奥で疑いを向けているのがわかった。
CY「…これが最後の忠告だよ。もうアイツの事は考えるな。」
低く、切り裂くような声で言った。
「な、何言ってるの？アイツって誰？」
それでも抗わないといけない気がした。
無駄だとわかっていても、認めてしまったら全てが終わる。
CY「…A。」
そっと、今度は優しい声で、懇願するように呟く。
…わかっている、オッパだけは私の事を一人の人間として見てくれた。
姫じゃなくて、妹として。
背を向けて歩き出したオッパに、わたしは何も言うことが出来なかった。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…！！今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした！！これからも応援しています！ (2020年3月24日 16時) (
レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nel_ | 作成日時：2020年2月2日 1時
