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DO「…なんでこういう時は泣くの。」
「っうぅ、ギョン、ス…？」
私以外入れない部屋に居たのは、他でもないギョンス。
泣き疲れて上手く息が出来ないけれど、その優しい声はギョンスだとすぐにわかった。
起き上がって、すぐ目の前にあったギョンスの姿に思わず抱き締めてしまった。
程よい筋肉と彼の香りに包まれて、それが何故かとても安心する。
DO「初対面で襲っても、転んでもキスしても泣かなかったのに。」
呆れたように言ったけれど、ちゃんと私の身体に腕をまわして頭を撫でてくれる。
その大きな彼の手は私を喜ばせるには十分だった。
「襲ったのとキスしたのは謝ってよ…。ところで、どうしてここに？また忍び込んだの？」
DO「まあ、そういう事になるよね。」
あっけらかんと答えているけれど、それがどれだけ危険な事か分かっているのだろうか。
…チャニョリオッパも、気付きかけているし。
「この前宮殿にギョンスが侵入してたのを見た人がいるの。もし捕まったらどうするの？もうこういう事はやめて。」
私は真剣に言っているのに、ギョンスは少し私を見つめた後、突然笑いだした。
DO「…ぷっ、あははっ！失言にも程があるよ、A？僕をからかうのもいい加減にして欲しいな。」
ギョンスはそっと耳元で言った。
DO「敵軍を庇って情報を流して、…挙句の果てには僕の安否の心配まで。…A。君は立派な裏切り者だ。」
低い声で笑ったギョンスに、自分がどれだけ最低な事をしているのか突きつけられた。
何の罪滅ぼしにもならない行為が、私の家族でさえも危険に晒している。
…私って、何がしたいんだろう。
何も出来ないのに、自分ばっかり可愛くて、他人を傷付けて。
止まったはずの涙がまた溢れそうになった。
私の価値は流れている血だけ。
それ以外は何もない、ただの置き物と何ら変わらない。
でも、ギョンスを思うと自然に湧き上がるこの気持ちは。
簡単な言葉では片付けられないけれど、名前を付けるならこうだろう。
「…ギョンスの事を、好きだと思う事もダメなのかな…。」
俯きながら、震える声でゆっくりと言葉を紡ぐ。
慎重に、私の想いが伝わるように。
DO「…Aには婚約者がいるし、その感情は同情から来るものだよ。今のは聴かなかった事にしてあげる。」
そっと、ギョンスの香りに包まれた。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…！！今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした！！これからも応援しています！ (2020年3月24日 16時) (
レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nel_ | 作成日時：2020年2月2日 1時
