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彼女が叫んだと同時に、彼女の容姿は変化していった。
瞳孔は猫のようになり、白い2つの角が生え、爪が長くなった。
その爪の先は薄い紫色になっていた。
牙が生え、血肉を欲するその姿は【鬼】だった。
「これは...凄いですね...。」
「はい。流石生き神様です。この容姿だったら皆、神様だと認めるでしょう。」
『・・・』
彼女は、母に向かって手を振りかぶった。
鋭い爪を持つその手で。
母は頭から血を流しながら膝から崩れ落ちた。
「え...生き神様?何を...どうされたのですか?」
彼女は母を喰べていた。
美味しそうに。仕返しだと嬉しそうに。
「ッ、綺麗...」
上品に。妖艶に。
その場に居た巫女は、美しさのあまり人を呼ぶことも忘れて見惚れていた。
母を喰べ終わると、彼女はこう発した。
『皆に母さんが行方不明になったと伝えて。』
「!かしこまりました。」
巫女は足早に去っていった。
母を殺した時に畳についた血を拭きながら彼女は思う。
【私を神様とするなら、これは祟りよ。私を閉じ込めた祟り。私は間違っていない。】
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作者名:果鈴 x他1人 | 作成日時:2020年10月14日 18時