夜の光〔文スト〕 (ページ11)

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独りページ11

私はシャワーを浴びて半袖のＴシャツに短パンというラフな格好になり、バーボンのボトルと氷を入れたグラスを持ち、ベランダへ向かった。
現在の時刻は午前1時。
ベランダは大通りの方を向いていて通りの様子がよく見える。車の通りは疎らだ。そのベランダの柵に腰掛け、近くのテーブルにボトルとグラスを置いた。
グラスに酒を注ぎつつ、ぼんやりと通りを眺める。
グラスを手に取り、少しずつ飲んでいく。
私は兄とは違い、かなり酒に強い。首領のお陰で、自白剤や睡眠剤と言った薬にも耐性が付いている。
前はよくこのベランダで、織田作と酒を飲んだものだ。
グラスをテーブルに置き、そのあとはずっと月を眺めていた。
いつのまにか月は消え、正面の遠く、海の方から太陽が昇ってきていた。
近くに置いてあったスマホを手に取ると、午前5時だった。
ーもうこんなに時間が経っていたのか。
A「眠い…」
今思えば、この2日間徹夜だった。
少し仮眠をとることにして、ボトルとグラスを持ち、部屋に入った。

ボトルは冷蔵庫に入れ、グラスを洗い、ベッドに入る。暫くすると逆らい難いほどの眠気が襲って来て、素直に目を瞑った。

1分程すると、そこには静かな寝息だけが響いていた。

A「織田…作……」
彼女がそう呟いた言葉は誰にも届かないまま、彼女の目から一筋の涙が流れた。