ある日 ページ2
A「兄様!兄様!」
パタパタとふわふわのカアペットの廊下を走る
すれ違いざまに黒服達が礼をしてくるが全てスルー。
中也「うお。どうした?A?」
中也は向こうから走ってきた可愛らしい人影に思わず口を緩めた
A「…?」
中也「…え?」
A「なんだっけ」
中也「おい!」
なんだよそのなんだっけって、などと言いながらも嬉しく思い笑顔で頭を撫でる
中也は、Aは嬉しそうな顔をするのを見ながら、ふと、彼女を眺めた
俺と同じ青くぱっちりとした目だがその片方、右目は青鯖と同じように包帯が巻かれている
首や腕にも包帯を巻いているのだが首は赤いマフラーに隠れて見えない
身内贔屓も入っているかもしれないが、とても可愛らしいと思う
ーそんな事を考えていると、Aがムスッとした顔でこちらを見ていることに気づいた
中也「ん?どうした?」
A「兄様…私と身長同じくせにお兄ちゃんぶってる…」
中也「…は?」
だいたい兄様は、など2人の間で言い争いが始まった
ふと、中也は違和感に気づき、躊躇いつつもAに聞いた。
中也「お前…帽子どこやった?」
此奴は俺と同じ帽子を被っている。誕生日に俺があげたもので、此奴は気に入っているらしく、肌身離さず持っていたのだ
A「…?」
何を聞くのだ。帽子は此処に…というかのように、Aは自分の頭に手を置き、慣れ親しんだ感覚がない事に気づいた
すると、Aの青く綺麗な瞳が潤んだ
中也「…え」
A「うわぁぁぁああああん!!」
中也「お、おい!落ち着け、何処かに落としただけだろ!?」
A「うわぁぁぁああああん!!」
中也は慌てて近くの黒服に帽子を探しに行くよう言った
黒服達が急いで去っていくのを見つつ、中也はどうにかAを落ち着かせようと焦っていた
中也(やべえ、早くしねーと…)
??「おや、中也にA、どうかしたのかえ?」
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作者名:夜 | 作成日時:2018年11月3日 22時