やぶ病院は知っている

筋弛緩剤 ページ13

「ねぇ、アーヤ！あの点滴バッグ、すごいものだった。僕、どうしよう！？」

「小塚君、落ち着いて？」


私がこの状況に至っているのは、約二分前のこと。

小塚君が電話をかけてきたんだけど、すっごい慌てふためいた様子で……。

「ねぇ、小塚君。何があったの？」


「あぁ、ごめんアーヤ。あの点滴バッグの両方から、筋弛緩剤が採取できたんだ。」

筋弛緩剤……？

「あ、筋弛緩剤っていうのは、神経や細胞膜などに作用して、筋肉の動きを弱める薬品何だ。それで、筋弛緩剤にも種類があって、その中にパンクロニウムって言うのがあるんだけど、そのパンクロニウムはアメリカで死刑執行時に使うような、毒何だ。点滴バッグの筋弛緩剤がパンクロニウムかは分かんないけど、もし、パンクロニウムだったらどうしよう！？死人が出たって噂じゃ済まずに、現実になっちゃうよ！？」


よく分かんないけど、どうしよう！？


死人なんか出たら、亡くなられた方も、そのご家族も、殺した人も、誰にとっても良いこと何て、１つもないと思う。


「とりあえず小塚君。若武に言って、kz会議を開こう？その後のことは後で考えればいいよ。kz会議に出せば、誰かが言い意見を出してくれるよ。だって、kzは三銃士でしょう？１人へみんなのために、みんなは１人のために。急がば回れって言うし。だからさ、焦らずゆっくり行けばいいよ！」

急がば回れ、は急ぐときこそゆっくり行った方が、結果的には早く着くってことわざ。


私は、割と好き。


「ありがとう、アーヤ！そうしてみる！アーヤに相談して、よかった！」


ううん。

kzは三銃士。

誰かが困っていても、みんなで補えば良い。

そう、kzみんなが思っている限り、kzに出来ないことなんてないんだって、私は思う。









こんな日々がいつまでも続くって、この時私は過信していた。

若武らしからぬ→←探偵チーム……？

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