お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ41)

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その後その5 ページ41

それでね、とんでもないことを考えちゃったんだ。

きっと、私はそれを実行したと思う。もう分かるよね。

モトキくんを誘拐して、Fischer'sごと壊しちゃおうって。

そうすれば、茜はもう遠くに行かないんじゃないかって。

また一緒にいてくれるようになるんじゃないかって。

そう考えた。

...でも。

こんなことしても報われないんだって分かってるんだ。

皆が傷つくだけだって。

だけど、もう止められなくて。

ごめんなさい。

私は貴方を、貴方の大切な人たちを傷つけてしまったと思う。

でも、聞いてほしい。

暴走してちぐはぐな矛盾だらけの私じゃなくて、今ここで意思を持って存在している私の言葉を、聞いてほしい。

きっと、私は茜に心ないことを言ったと思う。言われて、すごく苦しかったと思う。

だけどね。

小さい頃から一緒にいて、私の代わりにいろんなことに挑戦して、世界に羽ばたいていく茜は、私の誇りだよ。

嫌いになったことなんてない。恨んだことも憎んだこともない。...って言ったら暴走してる私を全否定しちゃうことになっちゃうけど...(笑)

それでも、いつだって私を大切にして寄り添ってくれた。

中学の時だって、部活とか友だちとの予定とかそういう間を縫って病院まで会いに来てくれた。新しい遊びを教えてくれた。いろんな話をしてくれた。

私はそれで充分だったんだよ。

それだけで嬉しかったんだよ。

なのにさ。

私はそれ以上を願ってしまった。

私を私として、あるがままに見てくれる友だちを望んでしまった。

お父さんもお母さんも茜も私を私として見て認めてくれたのに。

それじゃ満ち足りなくなってしまった。

...ごめんなさい。

全ての原因はそこから生まれたの。

私が友だちを望んで、貴方がFischer'sという友だちを作って私はそれに嫉妬してしまった。

双子だってそれぞれ別の人間なんだから、好きな道を進んで良かったのにね。

もしかしたら、この手紙自体にも矛盾があるかもしれない。

それでも、全部伝えたかったことだから。

今まで縛り付けちゃってごめん。

そして、ありがとう。

茜と生きてこられて、本当に良かった。

だから、私が死んでもいつまでも泣かないでね。天国に行けないから。

最後に。

Fischer'sの皆さんにも謝っておいてください。特にモトキくんには。は、初恋っていうのは内緒でね！

それと＿＿＿＿＿＿＿＿。

それじゃ、またね。