202 ページ8
.
『私……』
S「うん」
翔さんにここまで言わせてしまったんだから…きちんと話さなきゃ。
これ以上誤魔化すのは、翔さんにも部長に対して失礼だ。
『私、前に部長に好きだって言われたんです…でも、その言葉を信じきれなくて』
S「それって…前にも聞いた、Aちゃんが迷ってるからって智くんが言ってたことと関係ある？」
『たぶん……』
そういえば、前にも翔さんから「なんで智くんと付き合ってねーの？」って聞かれたことがあったんだった。
あの時は、前にお互いに気持ちを確認し合ってたことを部長から聞いて戸惑ってたっていうことも大きかったけど…
『歓迎会の時の話になるんですけど…』
S「はっ？そんな前の話まで戻んの？」
『あ、ですよね。そんな聞きたくないですよね…すみません。簡単に話します』
「はっ？」って言った時の翔さんのしかめっ面にはっとした。
そうだよ。
翔さんからしたらそんなに聞きたい話でもないんだから…
端的に分かりやすく話せばいいのに。
でも、頭の中ぐちゃぐちゃで、ちゃんと話せるか分かんない。
S「いや、待って。どうせならちゃんと聞きたいから、初めから話して」
『あ、はい…。えっと…歓迎会の時、私酔っ払ってしまって。部長に送ってもらったんです』
S「うん、知ってる。で？」
『で、タクシーで寝てしまったのか…部長も酔ってるし、家分からないしって感じで部長の家に泊まったんですけど…』
S「そうなの？」
『はい…。部長の話によると、私その時、部長に好きだって言ってたらしくて。部長も俺も好きみたいな話をしたらしいんですけど…、全く記憶になくて…』
S「さっき、智くんに好きって言われたってその時のこと？」
『そうですね….』
S「でも、お前は覚えてないと」
『はい…。そのあと、相葉さんから部長は石田さんと付き合ってるって話を聞いて…』
S「石田って…絵美さん？」
『はい。でもそれは、昔の話だからって部長と話をしたんで、もう違うって分かってるんですけど…』
S「うん。2月ぐらいに別れてるよね、あの2人」
2月って、私の入社前…
でも、まだ本当に最近の話だったんだ。
その事実だけで、泣きそうになる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - 一気に読みました！4人の中で揺れる主人公ちゃん、どうなっていくんだろうと思いながら読ませていただきました！翔くんの強引さにキュンとしつつ、恋が実ってよかったなーと思いました！ありがとうございました！ (2019年8月23日 18時) (
レス) id: a0f49605fb (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - さとあすさん» いつもありがとうございます！なんとか完結させられましたー！ショックは妄想で癒しましょう！お互いに(;_;)あちらのお話、今だ手を付けられずですが…頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年9月24日 22時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - Fu--chanさん» 初めまして！コメントありがとうございます。そして、お返事遅くなりました(;_;)楽しんで頂けたみたいでとても嬉しいです！またオマケも楽しんで下さいませ。 (2018年9月24日 22時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - けいさん» ありがとうございました！お返事遅くなりました(^^;;皆様のお陰で無事に完結を迎えられて、オマケまで書くことができてます♪再びお付き合い頂けたら嬉しいです！ (2018年9月24日 22時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
さとあす(プロフ) - ハルノさん、完結おめでとうございます。五人に好意を持たれて揺れ動くお話、何度も何度もニヤけさせていただきました。春のにのショックから夏の磁石ダブルパンチでKO寸前でしたが夢を読みながら長い夏休みを乗り越えられました。あちらのお話もまた楽しみにしています (2018年8月30日 23時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haruno*
| 作成日時：2018年8月16日 21時
