私の一番キライでスキな生き物4【銀魂】

鬼が二十二匹 ページ21

｢Aさんんんん！｣



ごめん。無理



そう口を塞がれたまま首を横に振ると絶望したような新八くん



《なお死ぬ前にギブアップすれば命は助かりますが当然負けとなります》



その言葉を聞き光を掴んだかのように顔を明るくする新八くん



｢ギブッ…｣



とすぐに神楽ちゃんにガバッと口を塞がれる



《ん?何か言いましたか
結野衆チーム》



｢なんでもありませーん
ちょっとエサやるの忘れてて｣



「ホラ
ペディグリーチャムだヨ
たんとお食べ」



え？なに？ペディ…？なにそれ？



《……》



ほらもう審判者さん困ってる



《それでは1回戦のルールの説明にうつります》



結局無視されたね!?



新八くんほんとに大丈夫かな…



《1回戦目の競技は術者と式神二人三脚による……》



｢ひょっとしてパン食い競走とか!?
それなら勝ち目があるかも｣



《パン…》



ほっと安心して肩を撫で下ろす



《パンデモニウム食い競走です》



｢パ…パンデモニウムって何だァァァァァァァ!!｣



新八くんの絶望の叫び声が聞こえる



パンデモニウムとやらは幼虫にヒトの顔がついている



あれを…食べるの…？



絶望している新八くん



｢式神の好物幼生の妖虫パンデモニウムでござんす
まァスナック菓子みたいなもんでござんすね
いいな〜競技で食べられるなんて｣



｢あんな気持ちわりーモンスナック感覚でいけるかァァァ!!｣



《パンデモニウム 略してパンの所まで二人三脚で向かいイチ早くコレを食しココに戻ってきたコンビの勝ちです》



｢イチ早くもクソも食えるワケねーだろ
あんな化け物!!｣



《それでは位置について》



｢つかね〜〜!!絶対イヤだ!!僕は絶対行きません!!｣



《よーいどーん!!》



ドォンと試合が始まる音が鳴る



すると神楽ちゃんは思いっきり地面を蹴る



｢まっ…｣



制止する新八くんを無視して走り始める神楽ちゃん



ガンと新八くんの頭が地面にぶつかる



｢ぐご｣



足を動かそうとしない新八くんを引きずりドドドドと音を立ててパンデモニウムの所へ向かう神楽ちゃん



《ああーっと!!結野衆チームコレは速いィィ!!二人三脚のスピードではありませんん!!》




｢新八くんんんん！｣



「ぎゃあああハゲるぅぅ!!」



新八くんの言葉を無視してドドドドと走り続ける神楽ちゃん



《というかほとんど二人三脚の体を為していないチームワーク0
式神をボロ雑巾のように引きずり猛然とパンの元へ向かっていくっ!!》

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