私の一番キライでスキな生き物4【銀魂】

鬼が十五匹 ページ14

｢!!あっ…あれはっ｣


｢隣の屋敷から…光の柱が?!｣


｢ぐっ!!やはり奴等も!!
負けるな者どもォォ奴等の呪法を打ち消してやれェェ!!｣


奴等?


「二つの光がぶつかった!!」


｢あっちとこっちで押し合って踊り狂ってるアル｣


｢なっ…なんなんですかアレ!!向こうの屋敷から出てるあの光は一体誰が?!｣


そう新八くんが叫ぶと外道丸さんが説明してくれる


｢巳厘野家でござんす｣


｢巳厘野家?!｣


凄い名前…


｢結野家と双璧をなす陰陽師一族
それが巳厘野家
平安の頃より結野家と巳厘野家は熾烈な権力争いを繰り広げ続けてきた犬猿の仲なのでござんす｣


｢なんでそんな仲悪いのがお隣さんに住んでんのォォ!!｣


｢結野家と巳厘野家は勝っては負け時代ごとにかわりばんこに栄枯盛衰を繰り返してきやした
しかし長き戦いに疲れたついに平和協定を結ぶことになったでござんす｣


｢そうこの江戸の時勢において初めて結野家と巳厘野家は両家共に幕府にめしかかえられるという偉業をなしとげたでやんす
しかも晴明様の手によって｣


晴明さん凄い人なんだ…


｢しかしそれによって新たな悲劇が生まれてしまった
平和協定を申し入れた晴明様に巳厘野家が提案した条件は一つでやんした
｢クリステル様を嫁によこせ｣と｣


｢当時お天気アナとして人気を博していたクリステル様を苦々しく思っていた晴明様はこれはクリステル様をこちらの世界に戻すいい機会とこの条件を飲みやした
そしてクリステル様もまた両家の平和のためならと巳厘野家に嫁いだのでござんす｣


｢しかし大義のためとはいえ本心までは偽ることは出来やせん
巳厘野家に嫁ぎお天気アナを辞めさせられたクリステル様は日を追う事にやせ衰えていきやした｣


｢あの頃クリステル様は空ばかり眺めていたでござんす｣


｢そんなクリステル様を見て自分の愚に気づいた晴明様は平和協定を捨てクリステル様を巳厘野家から離縁させお天気アナへと復帰させたのでござんす｣


｢後に残ったのは形だけ無様に仲良く隣に並んだ幕府の役職とこの屋敷
そしてより強くなった強き怨嗟の年でござんす｣


｢…また戦いは繰り返されてしまったでござんす
過去の過ちを二度と繰り返さんと必死にクリステル様を守ろうとする結野衆
そして結野衆とクリステル様を強く恨む巳厘野衆｣


｢両家の思いはクリステル様を介し複雑に絡み合い戦いは過去類を見ない苛烈なモノへと変わってしまいやした｣


｢呪法合戦
お天気戦争でござんす｣

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