夜叉白雪の自我 ページ5
ワレには自我がある。
エリス嬢にも自我があるように、異能生命体は自我を持つ。
しかし、自我は持って生まれるものでは無いことをワレは知っている。
ワレはかつて、主の背後に佇むだけの存在であった。
感情など無く、主の命令に従うのみの存在。
ある日からか、主自らがワレを鍛えてくださるようになった。
それまでのワレはとても弱かったのだ。
主はとても美しく、格好よかった。
ワレはいつしかそんな主の役に立ちたいと願うようになり…
それがワレにとっての自我の誕生だったのだと思う。
では、夜叉白雪はどうだろうか。
夜叉白雪もワレと同じように自我を持っていたのだと思う。
なんというか…
自我の残滓?のようなものを感じるのだ。
主が鏡花の過去を調べていた時に、ワレは夜叉白雪がかつては鏡花の母君の異能であったことを知った。
ワレが思うに、その時夜叉白雪には自我があったのだろう。
母君が夜叉白雪を託した時、
鏡花は夜叉白雪を受け入れなかった。
だから夜叉白雪は異能生命体として不安定になり、自我を失い…
かつてのワレのような命令に従うだけの機械のような存在になってしまったのだろう。
われは夜叉白雪を見るたびに願わずには居られない
鏡花よ、
どうか夜叉白雪を許し、受け入れやってくれ
夜叉白雪よ、
自我をもって、そして…
そして、
ワレの友になってくれ。
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かりきな音 - 青鯖ぷりんさん» 見つけてくれてありがとー! (3月2日 10時) (レス) id: d3ef7c29ab (このIDを非表示/違反報告)
青鯖ぷりん - 見つけたよー!リア友ー! (2月25日 10時) (レス) @page6 id: 88ee4ddb0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かりきな音 | 作成日時:2024年2月23日 18時