9つ目の仮面 ページ10
「………A、何をそんなニ…」
『いいんだ、なんなら俺も奇人扱いでいい。
…護れなかったんだ。見てるだけだった。
……俺も、一緒に辛い思いした方がいい。』
もう、辛い思いはしたくないのに。
散々貶されて、妹を優先されて、見てもらえなくて、認めて欲しくて、でも結局うまくいかなくて。
散々嫌な思いして、辛い思いして、我慢して。
辛い思いなんて、苦しい気持ちなんて、もう味わいたくないのに。
「…行きましょうか、Aくん。
きっと零は貴方の言葉に喜びますよ…☆
さて、夏目くん。今こうやってAくんの両腕に私達がひっついている形なわけですが…
どうします?『Aくんは私のものよ!アンタは触らないで!』とでも言っておきますか?」
「それは本心なんじゃないノ、渉にいさん?
『A?そっちの女は誰?私の方が好きでしょう?早く振り払ってよ!』」
…俺の両隣で遊び始めた夏目と渉先輩。
廊下にいる生徒がギョッとした目でこちらを見てくる。
夏目は幼い頃女装をしていたくらいで(本人にこの話は絶対できない)可愛らしい顔をしているし、身長も他の男と比べると小さい方。
渉先輩は髪の毛が長くて、女だと言われて、たくましい腕や脚を隠すような服装をしていれば女にも見えるだろう。
周りの男は、俺を見て顔を赤くしている。
違う、違うぞ…俺は男もどんと来いや(キラッ)みたいな感じじゃないからな…!?
『お前ら…俺で遊ぶなよっ!!!
ほら、もう着いてくからお前ら腕離せーっ!!』
うるさい、みたいな顔をして、俺の腕は一向に離す気配がない。
その顔をするのは俺であってお前らじゃないから…!
「………何をしておるんじゃ?
遅いから見に来たんじゃが…?」
「ノンッ!その手を離したまえ!!
そんな穢らわしい光景をマドモアゼルに見せるわけにはいかないのだよ!」
「まちくたびれました…『ふんすい』にいって『みずあそび』しましょう…♪
ぷか…ぷか…♪」
目の前には、夏目と渉先輩を除いた五奇人の先輩方。
俺に用、って一体なんなんだ…?
820人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そぬん - 涙が止まらなかったです…。五奇人が笑顔でライブをするというのを空想上ではありますが見れて、良かったです。最高のエンドでした!! (2020年7月17日 0時) (レス) id: 5ad600b11d (このIDを非表示/違反報告)
sakurasaku(プロフ) - あ、あれ……。おかしいな……。最後辺り読んでから目から塩水が止まんねぇ……。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: e53f230869 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 今更ながらコメントして申し訳ありません。感動しました。奇人…夏目…いいですね…でも1番の推しはこの小説の主人公くんですね…素敵な小説をありがとうございます。 (2019年11月25日 21時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
あいあい - まだ7つ目ですがスバルくんの発言に思わず吹き出してしまいました。今から続き読みます! (2019年1月10日 0時) (レス) id: 69cadf1e76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくんのストーカーのストーカー - ニックネームあれですけど私も夏目最推しです!(漢字あってますかね?)最近夏目多くないですか?私無課金なので、凄くキツイです...最後まで読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年3月27日 10時) (レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Satori | 作成日時:2017年8月2日 17時