7つ目の仮面 ページ8
「し、失礼します…おにいちゃ…あ、えっと、間宮Aはいますか…?」
いつも嫌になる程、周りから愛される可愛い可愛い俺の妹の声がした。
…可愛い可愛いは、言い過ぎか。
「…呼ばれてるネ、アレがAの妹…ふうン、大したことなさそうだネ?
…Aに似て、すぐに魔法にかかりそうな顔をしているヨ。」
『おい!?さらっと俺を傷つけるのはやめてくれよ…!?
…まぁいいや。ちょっと行ってくるな。』
「いってらっしゃイ」なんて笑顔を見せる夏目。
…流石アイドル。
自分がどう笑えば一番可愛く見えるのかわかってる顔だな。
『…姫、どうかしたか?』
俺が問いかければ、姫は俺の顔を見るなりパッと目を輝かせて、言った。
「よ、よかった…!あのね、周りは男の子しかいないし、皆優しいんだけど…私、知り合いがいないから…心、細くて…
さっきも、クラスメイトみんなの前で発作が…
…あ、えっと、そんなことが言いたいんじゃなくて…!!
えへへ、お兄ちゃんに会いたくて来ちゃったの…!
迷惑、だった…?」
…そう、姫は可愛い可愛い俺の妹。
俺を頼ってくれて、俺と仲良くしてくれる妹。
『迷惑なんかじゃ…』
「やっほぅ!君がAの妹の転校生〜?
………あれっ?…んん?…んんん…?
…おっかしいなぁ、AはこんなにキラキラしてるのになんでAの妹はキラキラしてないんだろ…
まぁいいや!お金ちょ〜だい!」
…固まってしまった。
目の前でニコニコと笑うオレンジ色の髪をした男の子。
明星スバル。
あきらかに、誰がどう見てもdisってる。
えぇ…?
「ぁ、えっと、間宮、姫…です…え、えっと…お、お兄ちゃん!また後でっ…!」
姫はバツが悪そうな顔をして廊下を走って行った。
…後で、誤っておかないとな、なんて思いながらスバルに向き合う。
『お前あーいうこと言うのやめろよ〜?
言われた側はスバルが思ってる以上に傷付くんだからな。」
そう、使う側は何も気にせずに使えるけど、言われる側は結構傷付くんだ。
「姫ちゃんは笑顔が可愛くて周りにキラキラのオーラがあるのに、Aは笑顔が下手くそだね。キラキラのオーラもない!ふふふっ」
…思い出したくない記憶も仮面に隠しておこう。
机に戻ると夏目が
「バルくんは本当によく見てるよネ。
フフフ、ボクも少しスッキリしたかナ。」
なんて楽しそうに笑っていた。
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そぬん - 涙が止まらなかったです…。五奇人が笑顔でライブをするというのを空想上ではありますが見れて、良かったです。最高のエンドでした!! (2020年7月17日 0時) (レス) id: 5ad600b11d (このIDを非表示/違反報告)
sakurasaku(プロフ) - あ、あれ……。おかしいな……。最後辺り読んでから目から塩水が止まんねぇ……。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: e53f230869 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 今更ながらコメントして申し訳ありません。感動しました。奇人…夏目…いいですね…でも1番の推しはこの小説の主人公くんですね…素敵な小説をありがとうございます。 (2019年11月25日 21時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
あいあい - まだ7つ目ですがスバルくんの発言に思わず吹き出してしまいました。今から続き読みます! (2019年1月10日 0時) (レス) id: 69cadf1e76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくんのストーカーのストーカー - ニックネームあれですけど私も夏目最推しです!(漢字あってますかね?)最近夏目多くないですか?私無課金なので、凄くキツイです...最後まで読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年3月27日 10時) (レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Satori | 作成日時:2017年8月2日 17時