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33つ目の仮面 ページ36

「……宗?抜け駆けですか?」


「気持ち悪い言い方をするのはやめたまえ、渉。」



ドアが少し開いていると思うと、渉先輩がジトーっとこちらを見ていた。


…渉先輩、もしかしてタイミングを見計らってた?



「フフフ、そろそろみんな来ますよ☆

やっと私達だけの空間になるのですよ。
少しお話をしましょう!」


「日々樹くん、邪魔なんじゃが…はやく入ってくれないかのう…」


「おや、零ではありませんか☆

これはこれは、失礼しました☆」




楽屋の前で話してる渉先輩の後ろには零先輩がいた。

渉先輩は、少しも悪いと思ってる様子がない。
ニコニコと誠意のこもってない謝罪をして楽屋に入ってくる。


「……やっぱリ、こうなるんだネ?

まだ片付けをしてるスタッフさんだっているんだかラ、あんまりうるさくしないでヨ。にいさん達?」



「ふふ、なっちゃんは『いいこ』ですね〜…♪」



次に、威圧的な笑みを浮かべる夏目と「よし、よし…♪」なんて言いながら夏目のか球を撫でている奏汰先輩が楽屋に入って来た。



『…いや、なんで俺の楽屋に集合するのが当たり前みたいになってるんだ!?

シャワー浴び終わったら俺の楽屋で集合なんて話してなかったのに!?』




結局、俺の楽屋には五奇人全員が集まっていた。




…いや、別に悪いとかそういうことじゃないんだけど…!




「まぁ、落ち着いておくれ。



簡単なことじゃよ。先程、約束したじゃろ?」




にこり、と笑う零先輩。

俺に冷や汗が流れる。今シャワー浴びて来たばっかりなのに。




『えっ、な、なんか約束しました!?』



「…忘れるの早すぎじゃよ…我輩でも覚えておったのに…



【舞台が終われば、その仮面を外して、ボクらに素顔を見せて】と。



逆先くんと話をしておったじゃろ…?」




『…え、えーと、俺、別に仮面で隠してたりなんて、してな…』



「A、我慢する必要はないヨ。



ここにはAの本心を受け止めたいと思う者しかいないんだかラ。」




「もういいんだよ」と。


その一言で、俺の無理矢理あげた口角はさがっていった。




ピエロは、舞台の裏で、やっと仮面を外した。

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そぬん - 涙が止まらなかったです…。五奇人が笑顔でライブをするというのを空想上ではありますが見れて、良かったです。最高のエンドでした!! (2020年7月17日 0時) (レス) id: 5ad600b11d (このIDを非表示/違反報告)
sakurasaku(プロフ) - あ、あれ……。おかしいな……。最後辺り読んでから目から塩水が止まんねぇ……。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: e53f230869 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今更ながらコメントして申し訳ありません。感動しました。奇人…夏目…いいですね…でも1番の推しはこの小説の主人公くんですね…素敵な小説をありがとうございます。 (2019年11月25日 21時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
あいあい - まだ7つ目ですがスバルくんの発言に思わず吹き出してしまいました。今から続き読みます! (2019年1月10日 0時) (レス) id: 69cadf1e76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくんのストーカーのストーカー - ニックネームあれですけど私も夏目最推しです!(漢字あってますかね?)最近夏目多くないですか?私無課金なので、凄くキツイです...最後まで読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年3月27日 10時) (レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Satori | 作成日時:2017年8月2日 17時

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