【男主】笑顔の仮面を貼り付けるピエロ【五奇人】

19つ目の仮面 ページ20

俺の耳には、アンティークなメロディーの、世界に一つしかない曲が流れていた。





『…うん、すごく、いいです！！


「Joker」のモチーフのピエロらしくて…！





………もし、使えなかったら、ほんとに、すみません。




こんなに、いい曲なのに。』



申し訳なくなる。
わざわざ時間を作ってもらって、

世界が欲しがる音楽を、こんなに簡単にもらってしまったのに。



「…ん〜。



これ、なんか足りないっていうか…ん〜…！


…なぁ、お前即興ダンスできるよな？

突然音楽流されても踊れるよな？



…うん、じゃあもうちょっと待ってて☆


こんなのよりも、もっといいやつ…お前らしいやつを、作りたい。」



「即興ダンスできるよな？」なんて聞いておきながら俺の返事を聞く間もなく、自己解決してもう作曲に夢中になっていた。



…そんな、真剣な目で見られたら、断れないじゃないか。



「…まぁ、みやくんのライブだしねぇ。



夢ノ咲学院のアイドルのライブは、みやくんのライブ以外にしばらくないし…


たまには王さまのインスピレーションを優先させて、作曲活動させてあげる。



…ふふ、お兄ちゃんが色々サポートしてあげるから、みやくんも俺に頼りなよねぇ…♪」



『……あ、ありがとうございます、泉先輩。』


いつもの特徴的な喋り方でニコニコ笑う泉先輩。

…なんでこの人はこんなに嬉しそうなんだ…




「…ちょ〜うざぁい。


泉お兄ちゃん、でしょぉ！？」



『そんな風に呼んだことありましたっけ！？！？』









…準備は、整った。




さぁ、姫、かかっておいで。






ピエロは、観客が笑顔になれるように、笑う。

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