配合恋愛。 (ページ4)

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「あのさあ、お前ニュース見た？
　AIが恋愛を配合するってやつ。」

「見た～、Aとだけは配合されたくねえ。」

教室で出た話題は
ほとんどが配合恋愛基本法についての話だった。

先週月曜に「恋愛に関するアンケート」と
左胸に付ける「チップ」が配られた記憶がぼうっと浮かぶ。

そうか、それを政府お得意のデータに起こして
恋愛していない国民を見極めるという訳か。

ぐっと無気力な伸びをして
一音たりとも乱れることのないチャイムを聞く。

先生の足音。

ドアが開き、
しばらくしてから教卓に先生のバインダーが置かれる。

先生は走ってきたのか
息を整えながら口を開いた。

「えー今日はホームルームというか報告がある。
　まず水沢、お前は至急、家に帰りなさい。
　授業出席日数はマイナスしないから、分かったな？」

「え、あの……」

なんだよアイツ先生からも戦力外通告されたのか、
そんなささやきが耳を刺す。

「話は後だ。
　先生も用事があるので今日は２限を自習とする。
　水沢、いいから帰れ。」

「は、はい。さよなら。」

スクールバッグを握りしめ
逃げるように教室を後にした。

教室では歓喜の声が響いている。