第四十九訓 ページ1
「…で?結局なんで此処にいんの?チビ」
「どうもテメーは俺に斬られたいらしいな…」
高杉はAの一言に眉間に皺を寄せながら近くに落ちている太い木の枝を拾い構える。桂は高杉の肩に手をやり、制止の声を掛ける。
「おい高杉。幾らホントのことを言われたからと言って女子に剣を向けるものではないぞ」
「桂、まずはテメーからだ」
桂の言葉に耳を貸さず棒を桂に向ける。
「…俺を斬る?ハッ無理無理。銀時程度に敵わない奴が髪の毛一本も触われるわけねぇだろ」
まるで小馬鹿にするようにAは鼻で笑った。それを見た高杉はさらに怒り、今にもAに斬りかかりそうになっていた。
「上等だ!!構えやがれ!!」
「A、これ以上煽るな」
「…カツラは黙ってろ」
「カツラじゃない桂だ。話が進まないから落ち着け」
ドウドウと怒り狂った闘牛を鎮めるかのように高杉を羽交い締めにする。
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
闘牛高杉がようやく落ち着きを取り戻し、桂が話だす。
「さて、話を戻すがAは何故ここにいる?」
「…松陽に銀時を探せって言われたんだよ。どうやらここにはいないみたいだけどな。てめぇら?」
面倒くさそうな態度のAだったが、意外にも桂の問に素直に答え、疑問を口にした。
「俺はただ神社におにぎりを供えに来ただけだ」
「…ふーん。そっちのチビは?」
「やっぱり斬る!!」
「…そんなイラつくなよ。事実なんだし」
「だから煽るな」
またもや高杉を羽交い締めにしている桂。Aは我関せずと欠伸をしていた。
「全く…。高杉は親に謹慎を言い渡されたんだ。最近Aの塾ばかりに行っているからな」
「…へぇ」
Aがそう呟くと、じぃっと高杉を見つめる。
「なんだよ、なんか文句でもあるのか!?」
その視線に耐えかねた高杉がAに言った。
「…なんで親が反対してんのに道場破りなんかくるんだ?そのままだと勘当されっぞ」
Aの言葉に高杉は黙り、桂は羽交い締めしたまま高杉の次の言葉を黙って待つ。
「…俺はただ強くなりたいだけだ」
「…なんで強くなりてぇんだ?」
「質問ばっかしてんじゃねぇよ。俺は弱いっていう事が彼奴のおかげで充分に理解出来た。だから彼奴に勝てるよう強くなりたいだけだ」
高杉の言葉を聞きAはしばらくじっと見つめて背を向け出口に向かう。
「…ま、頑張りな。だいぶてめぇの動きは良くなってるし明日には勝てんじゃね?」
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ジャンプ大好き娘(プロフ) - ミリアさん» 返信ありがとうございます!!!お気遣いありがとうございます!!!大変時間がかかると思いますが、リクエスト&更新頑張らせていただきます!!! (2017年8月9日 23時) (レス) id: a08f40c909 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 検討してくれてありがとうございます楽しみにしてます無理はしないでくださいこれからも更新頑張ってください応援してます。 (2017年8月7日 17時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ大好き娘(プロフ) - ミリアさん» コメント&リクエストありがとうございます!!!大好きと言っていただけて感謝です!!!そして初めてリクエストを頂き少々手が震えております。Kの方は申し訳ありませんが、知らないため作成することは出来ませんが、リボーンの方少し検討してみます!!! (2017年8月6日 23時) (レス) id: a08f40c909 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ大好き娘(プロフ) - マヨさん» コメントありがとうございます!!!そんな…面白いだなんて。゚∵( TДT)∵゚そんな嬉しいこと言ってくださるなんて感激です!!!精一杯頑張らせていただきます!!! (2017年8月6日 23時) (レス) id: a08f40c909 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく面白かったです大好きな作品になりました続きがすごく楽しみですもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品でアニメKかリボーンの世界にトリップした銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも更新頑張ってくださいね。 (2017年8月6日 14時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジャンプ大好き娘 | 作成日時:2016年7月12日 0時