ヅラ子じゃない！妹だ！！《参》〜過去編〜【銀魂】

妹です。参の８ ページ9

｢離、してッ！！｣

深い林の中へと連れて行かれそうになっていた。

｢おい、早くしろ！見つかったらまずいだろ！｣

｢見つからねぇって、大丈夫だよ｣

声を抑えようと口を手で塞がれた。
必死でもがくが大人３人の力、勝てるはずがない。

｢大人しくしろ！｣

フッと意識が飛びそうになった。

｢すみません、何してるんですか？｣

が、目をこじ開ける。すると、先生が立っていた。
そこにはいつもの笑顔はなく恐怖を感じた。

｢はぁっ！！……せ、先生…？｣

｢覚悟は出来ていますよね？
私の大事な子に手を出したんですから｣

｢A！こっちへ来い！！｣

お兄ちゃんに呼ばれ。タイミングを見計らって、緩んだ手を振り払いお兄ちゃんの下へと走る。

｢なんだお前は！？｣

先生はゆっくり近づいて行く。
そして刀を素早く抜くと男３人が尻餅を着いた。

｢ひ、ひぃいいいい！！｣

｢早く行かないと、斬りますよ…｣

するとすぐに男達は立ち上がり走り去って行った。
それを見た後、お兄ちゃんを力いっぱい抱き締める。

｢怖かったか？｣

ゆっくり頷くと背中に腕を回して抱き締め返してくれる。
先生達も心配そうにこちらを見つめた。

｢Aさん。何かあったら大声を出して下さい。
そうじゃないと私も助けられません｣

お兄ちゃんから離れると、
先生は屈み込み両腕を掴みじっと目を見た。

｢ごめんなさい………｣

｢…でも、貴方が無地で何よりです｣

真剣な顔付きがふわりと柔なくなり笑顔を向けられた。

｢お花見、出来ますか？｣

｢うん｣

早速、皆の待っている所に向かう。
その場所に着くと皆が駆け寄ってきた。

｢大丈夫？！｣

｢大丈夫だよ…｣

フッと笑って見せると、
驚いた顔をした後ホッと胸をなで下ろしていた。

｢では皆さん！お花見再開しましょう！｣

私はあの時、先生に恋をしたんだと思う。

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