【刀剣乱舞】主が大好きすぎるまんばちゃんの話【山姥切国広】

九日目 ページ10

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最近、主は仕事をしすぎている。俺が心配になるほどに朝から晩まで仕事仕事……。何故最近になって一層忙しくなったのかと聞かれれば、その答えは至極簡単なもの。



「歴史修正主義者に加えて、この時代にも検非違使が……。あぁー、もう資材不足だよ」


歴史修正主義者の動きが活発になってきたのと、同じ時代に留まりすぎて検非違使までもが出てくる始末。それにより、政府から【厳重注意】の書類がこうして送られてきているのだ。


しかし、刀剣側としては戦うことに満足しているし、それが存在意義となっている。加えて主の命令となれば、頑張るのは当たり前。

どんどん戦場に出してくれて構わないのだが、どうやら主は納得しないらしい。



「出陣は今日はなし！ 最近、皆出陣しっぱなしだったし今日はゆっくり休んで身体を万全の状態にしておくこと」


「でも主。俺たちはまだ戦えるぞ」


「ダメ！ 疲れてるのに戦っても勝てないよ！ 折れたりなんてしたら許さないからね！」




向こうでは加州が「主っ……」とトキめいていた。俺たちよりも主に休息を取ってもらいたいものだがな。


だから考えた。

主の疲れをとり、かつ喜んでもらえるものをプレゼントしようと。


確か主はけーきが好きと言っていたな。よし……作るか。
ジャージの袖をあげ、燭台切が持っていた料理本を見ながらけーきを作り始めた。





「主……」

「まんばちゃん？ どうしたの？」

「おやつを……持ってきた」

「もうそんな時間？ まんばちゃん入って。一緒に休憩しよう」

「ああ。主、これ……」



主の前に差し出したのは、形が崩れてしまったしょーとけーき。燭台切に所々手伝ってもらったのだが、どうやらすぽんじがまだ温かい内に生くりーむを塗ってしまったので、溶けてしまった。そんな、不格好なけーき。主は喜んでくれるだろうか？



「わっ。今日はケーキなんだ！ 美味しそう。まんばちゃんが作ったの？」

「な、何故わかるっ！」

「分かるよ、まんばちゃんのその顔を見れば」

「俺の顔？」


分からないまま首をかしげるも、主は既に俺の手からけーきの皿を受け取った。

そしてそのまま一口食べる。


ドキドキとうるさくなる心臓。反応を見るのが期待半分不安半分。


「……美味しい」

「本当か？」

「うん！ 愛情の味だね」

「っ！」


また主はそう言うことを平気で言う。俺は顔が熱くなった。



「ありがとう、まんばちゃん」

「無理は、するな」


主に元気を。

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