八日目 ページ9
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経過8日目にして、私は風邪を引きました。
「あ、頭痛い……」
「何だとっ!? おい、薬研!」
「山姥切。ちと静かにしてくれないか」
隣にいてくれるのは近侍のまんばちゃんと、看病係の薬研。さっきから私が呻く度にまんばちゃんは大袈裟に騒ぐので、薬研は疲れぎみ。
ご、ごめんよ……。
「薬は飲んだし、あとは寝てるしかない。大将、今日一日はゆっくり休んでくれや。大将は頑張りすぎだから、今日くらい休んだところで誰も文句は言わねぇよ」
「薬研……好き」
「熱が上がってきたみたいだな。タオル変えるか」
「酷い……」
折角ときめいたのに……。それはあっさりと交わされてしまった。切ない。
「……山姥切、大将が動かないようしっかり見張っててくれ。俺は水を替えてくる」
薬研が出ていったことで部屋には私とまんばちゃんだけが残った。
まんばちゃんはそろそろと少し近づき、咳き込む私の手を握ってくる。
「大丈夫か!?」
「く、苦しい……」
「死ぬの、か……?」
「……べ、別に死……」
「俺は嫌だ! あんたがこんな風にいなくなるのは!」
「ん? いや、まんばちゃんあのね。話を……」
握られた手に力が篭った。痛い……。
私の話を聞いてくれないまんばちゃんは、私が死ぬと思って疑わない。
風邪で人は死なないんだよ?
「俺はあんたが好……」
「大将ー、水持ってきたぜ。飲むか?」
「うん。貰う」
そこに丁度よくやってきた薬研。救われたかも。
まんばちゃんの言葉が遮られる。
それに彼は落ち込んで、繋がれていた手が離れてしまった。
名残惜しいと思うのは、私もまた熱に浮かされているせいだろうか?
「寝ろ。今日はもう遅い。明日になれば元気になってるから山姥切も心配しなくていいぞ」
「本当か!?」
「ああ」
そんなやり取りを聞いているうちに、冷たい水に浸したタオルが乗せられる。ひんやりとして冷たい。
遠くの方に感じる二人の声を聞きながら、うとうとうとうと……私は眠りについた。
翌日、風邪はしっかり治り、
「これは俺が提出しておく。あんたは病み上がりなんだから無理はするな」
まんばちゃんが何かと世話を焼いてくれました。
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華骸(プロフ) - 小豆☆抹茶さん» コメントありがとうございます! 分かってくれますか、まんばちゃんの可愛さを! 同士ですね(о´∀`о) これからもたくさんまんばちゃんを愛でていきましょう!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
小豆☆抹茶 - まんばちゃんの愛らしさ…凄く分かります!私も、初期刀まんばちゃんです!まんばちゃんです!!!!!! (2017年3月21日 18時) (レス) id: 62f8b9fffc (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 亜乃歌さん» コメントありがとうございます! やはりまんばちゃんですよね! みな、違った可愛さが有りますが、まんばちゃんは放っておけないタイプだと私は思います(笑) 読んでくださりありがとうございました!(ノ´∀`*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 沖田凛和さん» コメントありがとうございます! これは私の妄想の小説になりますが、実際にこんな感じだと可愛いですよね! と言うか、まんばちゃんの全部が可愛いですよね(*≧∀≦*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
亜乃歌(プロフ) - めっちゃ面白かったです!ちなみに私も初期刀まんばです(´▽`*) (2017年1月25日 21時) (レス) id: a5d27731cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華骸 | 作成日時:2016年9月24日 21時