三十四日目 ページ35
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「ごめんなさいっ!」
そこには息を切らして涙目の包丁くんが。どうしたのだろうと思っていると、彼は急に謝ってきた。
「包丁くん?」
「今の話、聞いてたんだ」
「なっ!」
頭を下げたまま話し出した彼に、まんばちゃんは顔を赤くする。泣いていたのが恥ずかしいのかもしれない。
そう思っていると、
「山姥切のブレスレット……、取ったの俺なんだ!」
驚くべき言葉を口にした。
「何だと……」
「主さんから特別扱いされているのが羨ましくて……ただ、何気なく困らせてやろうって……。でも返すの忘れてて……だからこれ……」
包丁くんの掌に乗っているのは、確かに私がまんばちゃんにあげたブレスレット。中央の水晶に刻印されている紋はよく見続けてきたものだ。
まんばちゃんはそのブレスレットに恐る恐る手を伸ばした。そして手にすると、実感するように見つめ、自分の左腕につける。しかし慣れていないのかカニカンに手こずっていた。
そんな様子に微笑みながら着けてあげれば、随分と久しぶりの桜がふわりと舞う。
「良かった……。本当に、良かったっ……!」
絞り出したような声で言ったまんばちゃんの目からは、止まった筈の涙が出てくる。
それは包丁くんも同じで。
「ごめんなさい……俺……ひっく、ぐすっ!」
嗚咽を交えながら謝る。
きっと他の刀剣たちに見られたら「何泣かしているんだ」と私が怒られてしまうのだろう。
なんて思い、私は頬を緩むのを感じながら、包丁くんに向かう。
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華骸(プロフ) - 小豆☆抹茶さん» コメントありがとうございます! 分かってくれますか、まんばちゃんの可愛さを! 同士ですね(о´∀`о) これからもたくさんまんばちゃんを愛でていきましょう!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
小豆☆抹茶 - まんばちゃんの愛らしさ…凄く分かります!私も、初期刀まんばちゃんです!まんばちゃんです!!!!!! (2017年3月21日 18時) (レス) id: 62f8b9fffc (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 亜乃歌さん» コメントありがとうございます! やはりまんばちゃんですよね! みな、違った可愛さが有りますが、まんばちゃんは放っておけないタイプだと私は思います(笑) 読んでくださりありがとうございました!(ノ´∀`*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 沖田凛和さん» コメントありがとうございます! これは私の妄想の小説になりますが、実際にこんな感じだと可愛いですよね! と言うか、まんばちゃんの全部が可愛いですよね(*≧∀≦*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
亜乃歌(プロフ) - めっちゃ面白かったです!ちなみに私も初期刀まんばです(´▽`*) (2017年1月25日 21時) (レス) id: a5d27731cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華骸 | 作成日時:2016年9月24日 21時