二十九日目 ページ30
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翌日の朝餉の席で、主は料理を食べ終えると同時に、皆の前で指示を出した。
「親戚のお葬式だから現世に行ってくるね。夕食までには戻れると思うけど、先に食べてていいよ。当然だけど今日は出陣も遠征もなし。各自ゆっくり休むように。じゃあ、行ってきます」
「もう行くのかい？」
「実は喪服を現世に取りに行かなくちゃいけなくて」
「そうか。気をつけて」
歌仙が微笑むのと同時に、主は本丸を出ていく。
今日は休みだと、喜ぶ者、悲しむ者、だらける者、酒盛りする者。様々だったが、急に休みと言われても何をしていいかが分からない。
手合わせしようにも兄弟たちは和泉守兼定と共に内番であったり、修行と言ってとれーにんぐをしている。この場合のとれーにんぐとは刀を使ったものではなく、体力づくりや筋肉を鍛える方だ。手合わせを頼めないこともないが、すごい勢いで腕立て伏せをする兄弟のもとへ近づくのは容易ではない。
諦めるか。
ならば何をしようかと考えたとき
「わっ！」
「っ！」
急に後ろから声がかかり、肩が跳ねる。
後ろにいたのは鶴丸だった。
「どうだ、驚いたか？」
「ふざけるな」
鶴丸は笑いながら「すまんすまん」と謝る。更々悪いと思っていない顔だ。
「しかし、考え込んでいたようだからなぁ。どうした？」
「……何でもない」
「本当にか？」
「……」
こちらを伺う金色の瞳と目が合って、思いきり逸らす。それが仇となり、目の前の白い男はより一層楽しげにこちらを見るのだから質が悪い。
逃げられないと悟った俺は、溜め息を吐き、鶴丸に向き直った。
「鶴丸」
「おっ、何だ？」
「手合わせを……してくれないか」
暇なのは皆、同じ。早く道場へ行かなければ同田貫たちにとられてしまう。
「ああ！ いいぜ！」
快活に答えた後、俺達は道場へ向かった。
互いに木刀を握り合いながら向き合う。戦装束に着替えるだけで緊張にも似た空気が流れるのは、最近出陣していなかったからだろうか。それに加えて鶴丸は太刀である。体力や打撃には負けるところがある。
「きみは、主の初期刀だそうだな」
「……だったら何だ」
「いや？ 主が話してたからな。きみとは一度手合わせをしてみたかったから調度いい」
「そうか」
「おっと」
言いながら走り出す。
この男には負けなくないと、心から思う。
主の近侍や第一部隊の隊長になった鶴丸に僻みや嫉妬を持っているのは自分でも分かっていた。
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華骸(プロフ) - 小豆☆抹茶さん» コメントありがとうございます！ 分かってくれますか、まんばちゃんの可愛さを！ 同士ですね(о´∀`о) これからもたくさんまんばちゃんを愛でていきましょう！！ (2017年3月22日 21時) (
レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
小豆☆抹茶 - まんばちゃんの愛らしさ…凄く分かります！私も、初期刀まんばちゃんです!まんばちゃんです!!!!!! (2017年3月21日 18時) (レス) id: 62f8b9fffc (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 亜乃歌さん» コメントありがとうございます！ やはりまんばちゃんですよね！ みな、違った可愛さが有りますが、まんばちゃんは放っておけないタイプだと私は思います(笑) 読んでくださりありがとうございました！(ノ´∀｀*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 沖田凛和さん» コメントありがとうございます！ これは私の妄想の小説になりますが、実際にこんな感じだと可愛いですよね！ と言うか、まんばちゃんの全部が可愛いですよね(*≧∀≦*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
亜乃歌(プロフ) - めっちゃ面白かったです！ちなみに私も初期刀まんばです(´▽｀*) (2017年1月25日 21時) (レス) id: a5d27731cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華骸 | 作成日時：2016年9月24日 21時
