二十五日目 ページ26
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結局ぶれすれっとは見つからないまま。
いい加減探すのに疲れてきて、主と話をしたいと部屋を向かう。しかし襖は閉じている。主はいつも襖を開け放しにしているのだが、閉じていると言うことはまだ寝ているのだろうか。
「……主」
「…………」
当然だが返事はない。
起きるまでこのまま待とうか。だが今は近侍を外された身。写しの俺がおこがましいだろうか。
今までは主の傍にいて近侍の仕事をしていたからか、時間の潰し方が分からなかった。
「兄弟」
主の部屋の前にいた俺に声を掛けてきたのは兄弟だった。近侍になった兄弟が羨ましい。
俺は三日もろくに主と話をしていない。突き放したのは俺だけに、今さら近侍を戻してくれなどとは言えなかった。
悲しさばかり積もる。
嫌な予感が胸の中に広がり、ざわついていた。
そしてその予感は的中した。
次の日の朝。
朝餉の席に着いた主と話をしようと近づく。
「主」
「どうしたの、まんばちゃん」
主はいつもの笑みで俺を呼んだ。微かに安堵する。顔を見るだけで安心するほど、俺は主ときちんと向かい合ってなかったのだと自覚した。
「あの……実はな……」
ただ、ぶれすれっとのことを話そうとすると口篭ってしまう。ちゃんと謝らなければと思うのに、いざ主を前にすると肝心の言葉は波のように退いて消えてしまう。
口の中が乾いてきた。
何かを言わなくては。しかし、何を言えばいい。
主は相変わらずの微笑みで、俺の言葉を急かそうとはせずじっと見つめている。けれど、逆にそれが俺を急かしているように思え、俺は目を伏せ、
「……いや、何でもないんだ」
気づけばそう言っていた。
「そっか」
主は寂しげに笑う。
俺と同じ気持ちならいいのにと、そんなことを思った。
それっきり主と話す時間がなかった。
第一部隊の出陣もなく、遠征が意気揚々と出掛けていったきりだ。ますます何をすればいいのか分からなくなる。何度も主の部屋へと行くのだが、襖は閉じられたままだ。
軽いはずの襖。
だが今の俺には頑丈な鉄の扉に思えてしまう。
もう、主が俺を近侍にしてくれることはないのだろうか。もう……話し相手になってくれることもないのだろうか。
すぐ近くにいるはずなのに、こんなにも距離があるのだと実感した。口にすれば、何秒ともかからないはずのその言葉が胸の奥でひっそりと根を張っている。
全く、人の身は厄介だ。
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華骸(プロフ) - 小豆☆抹茶さん» コメントありがとうございます！ 分かってくれますか、まんばちゃんの可愛さを！ 同士ですね(о´∀`о) これからもたくさんまんばちゃんを愛でていきましょう！！ (2017年3月22日 21時) (
レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
小豆☆抹茶 - まんばちゃんの愛らしさ…凄く分かります！私も、初期刀まんばちゃんです!まんばちゃんです!!!!!! (2017年3月21日 18時) (レス) id: 62f8b9fffc (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 亜乃歌さん» コメントありがとうございます！ やはりまんばちゃんですよね！ みな、違った可愛さが有りますが、まんばちゃんは放っておけないタイプだと私は思います(笑) 読んでくださりありがとうございました！(ノ´∀｀*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 沖田凛和さん» コメントありがとうございます！ これは私の妄想の小説になりますが、実際にこんな感じだと可愛いですよね！ と言うか、まんばちゃんの全部が可愛いですよね(*≧∀≦*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
亜乃歌(プロフ) - めっちゃ面白かったです！ちなみに私も初期刀まんばです(´▽｀*) (2017年1月25日 21時) (レス) id: a5d27731cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華骸 | 作成日時：2016年9月24日 21時
