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二十二日目 ページ23

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次の日になっても、まんばちゃんの挙動不審は続いた。



私とは目を合わせないし、いつもの腕まくりもしない。ジャージも戦装束も、ピシッと袖を下ろしている。




おかしい。



それに加えて、本丸の物を持ち上げて確認してみたり本丸中をうろうろするのだ。



「どうしたの?」と訊いてみても、「何でもない」の一点張り。




いよいよ私も不安になってくる。






「まんばちゃん、本当に大丈夫?」


「だ、大丈夫だ。それより出陣の時間だから行かせてくれ」



ある日の出陣のお見送り。


引き留めても、やっぱり視線は合わなくて。




「待って! 最近まんばちゃん、おかしいよ。お願い、教えて? どうしたの?」




「何でもないと言っているだろう! 俺は行く!





……ああ、それと近侍は暫く外してくれ」






「─────え?」







私は視界が真っ黒に塗りつぶされていくのを感じた。近くにいるまんばちゃんの姿さえも見えない。



どうして急にそんな事を言うのだろう。




大声を出されたよりも、否定的なその言葉が。突き刺すようなその声色が、私の胸をえぐった。



こんなこと、いつものまんばちゃんからは想像がつかなくて、私はただその場に立ち尽くすしかない。




まんばちゃんが離れていく足音が遠くに聞こえた。





視界が戻った頃には、私の頬にはいくつもの涙が伝っていた。

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華骸(プロフ) - 小豆☆抹茶さん» コメントありがとうございます! 分かってくれますか、まんばちゃんの可愛さを! 同士ですね(о´∀`о) これからもたくさんまんばちゃんを愛でていきましょう!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
小豆☆抹茶 - まんばちゃんの愛らしさ…凄く分かります!私も、初期刀まんばちゃんです!まんばちゃんです!!!!!! (2017年3月21日 18時) (レス) id: 62f8b9fffc (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 亜乃歌さん» コメントありがとうございます! やはりまんばちゃんですよね! みな、違った可愛さが有りますが、まんばちゃんは放っておけないタイプだと私は思います(笑) 読んでくださりありがとうございました!(ノ´∀`*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - 沖田凛和さん» コメントありがとうございます! これは私の妄想の小説になりますが、実際にこんな感じだと可愛いですよね! と言うか、まんばちゃんの全部が可愛いですよね(*≧∀≦*) (2017年1月26日 18時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
亜乃歌(プロフ) - めっちゃ面白かったです!ちなみに私も初期刀まんばです(´▽`*) (2017年1月25日 21時) (レス) id: a5d27731cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華骸 | 作成日時:2016年9月24日 21時

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