第三十話 愛情を ページ32
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そうして僕らは広間に集められた。Aちゃんはしっかりと加州くんに抱かれ、隣には三日月さんと今剣くん。鯰尾くんもその近く、と過保護な溺愛者の面々が揃っている。
「急に集まってもらってごめんなさい。話があって……」
「話、ですか？」
一期くんが返す。主はええ、と答えると話を切り出した。話と言うのは先程のこと。
「数人からの希望で、育児は刀派ごとではなく、全員で回すことにしました。
気づいた者がミルクやおむつを替え、手のあいた者が遊び、あやすことも、お風呂に入れることも、寝ることも全員でやってほしいの。
これは私からのお願いです。
Aの世話をよろしくお願いします」
その言葉に、喜んだのはもちろん短刀たち。……と、平安組。主に三日月さんってことは分かってくれたかな？
「勿論。主からの頼みとあれば、我々は拒みませんよ。……いや、このような可愛い幼子を嫌う者はおりません。喜んで世話をさせていただきます」
「蜻蛉切にそう言ってもらえると嬉しいわ。ありがとう」
主は再び凛とした表情になって話し出す。
「でも一つだけ。守ってほしいことがあるの。
出陣や遠征のことよ。私も早めに部隊を組むから、出陣に出る一日前はしっかり休んで頂戴。
疲労が溜まってるなんて言語道断。
そこは上手くやってね」
「はい！」
皆が元気よく返事を返し、お開きとなった。しかし誰も出ていこうとはしない。Aちゃんを取り囲むようにして、和気あいあいと喋っているのだから。
「皆がやる気になってくれて、私はとても嬉しい」
「主……」
僕の隣に主が座った。とても慈悲深い笑みでAちゃんを見つめると、呟くように言葉を紡いぐ。
「育児放棄。Aがまだ幼かったからいいものの、物心がついていたらきっと大きな傷を心に負っていたでしょうね。
この本丸に連れてきて、良かったって思ってる。
こんなに愛してもらってAは幸せね」
全てを語り終えると、主は「ごめんなさい。独り言よ」と続けた。
僕はその通りだね、と返す。
あんなに色んな人の腕に抱かれ、温もりを知った彼女は大きくなったとき優しい女性になるのだろう。僕らにとってこれほどまでに楽しい時はない。
この楽しみはきっと─────
僕らの一生分だ。
──────
更新止めていてすみません！
……という事でこれからは一話ごとのほのぼの系を書いていきたいと思います！
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華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます！ 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います！ 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (
レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません！ 喉は大丈夫ですか？ リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます！(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華骸 | 作成日時：2016年4月6日 20時
