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第九話 鳴狐 ページ11

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厨には燭台切殿と歌仙殿がいた。


「おはようございます」

「あぁ、一期くん。おはよう」



お二人は毎食こうして料理を作っていてくれる。時々主の姿を見かけるが、どうやら主から料理を習っているらしかった。
無論、どちらかが出陣あるいは遠征に行っているときには主自ら厨に立つ。



「鳴狐くんもおはよう」

「おはようございます!」

「……おはよう」


歌仙殿が声をかけたとき、後ろに叔父上殿がいたことに気づく。キツネ殿も何も言わないのですから、驚きました。


「珍しいね二人とも。どうしたの?」

「A殿のミルクを作りに」

「ああ! そうだね」

「鳴狐もA殿のみるくを作るべく、こうして厨に来たのでございます!」

「そうか。ならば、左の鍋を使ってくれるかい」

「はい。有難うございます」



私が鍋に近づいたとき、ジャージが控えめに引っ張られた。その正体は叔父上殿。何か言いたそうなので聞いてみると、


「一期、みるくの作り方……教えて」


協力的なその一言が嬉しくて、微笑んでしまう。


「はい。一緒に作りましょう」



二人ならんで湯を沸かす。
じーっと見つめるばかりの叔父上殿をキツネ殿が時折、意識を確認している。


思えば叔父上殿とこうして並ぶことはなかった。

話には聞いていたが、実際に見たことはなかったので新鮮でもある。


しかし落ち着くのは彼が無口だからだろうか。それとも、親近感があるからか。どちらにしろこの沈黙も気づけば心地よくなっていた。



「そろそろですね」

「ややっ! もう良いのですか」

「はい。粉ミルクを入れた哺乳瓶にお湯を注いで、水で冷ますのです」

「ほほぅ」

「……このくらいで良いでしょう」

「さすが一期くん。昨日の一回で完璧に覚えたみたいだね!」

「いえいえ、見よう見まねです。さてと、泣き出したみたいですし、叔父上殿一緒にいきますか」

「……うん」


粟田口部屋からはA殿の泣き声と、弟たちのなだめる声が聞こえてくる。
ちょうどいい頃あいだ。


ミルクは誰にあげて貰おうか。

第十話 粟田口→←第八話 加州と安定の秘策



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華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます! 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います! 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません! 喉は大丈夫ですか? リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます!(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華骸 | 作成日時:2016年4月6日 20時

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