気になるあの娘は先輩グループの紅一点【Kazuma.K】

少しの間の至福の時間 ページ34

『今日は来てくれてありがとう』

｢こちらこそ、呼んでくれてありがとう｣


エレベーターの中、2人きり。

気持ち、伝えるなら今しかない…

いや、でもな……


『｢あのさ｣』

『あ、先いいよ？(笑)』

｢いや、A先話してや｣

『…その、大したことじゃないんだけど
…今日、2人でいれること多くて嬉しかったなって』


…大したことすぎるやん


『それだけ、壱馬くんは？
壱馬くん…？』

｢なんで、そんな可愛いこと言うん｣



お互いが黙ってすぐにエントランスに着いた。


珍しく何も言わないAの手を引いて
外から死角になってる影まで連れてく


｢なぁ、Aこんなところで言うのもあれなんやけど｣

『…うん？』


Aを抱き寄せて俺は腹を括った

｢…好きやで、大好き｣

『…え、え？』

｢…答えは今じゃなくても大丈夫や。
待ってる、ずっと｣


表情を見て今は分からない、そう言われているような気がした


『…うん、ちゃんと答え出すね』

｢…急に、ごめん｣

『謝らないでよ！
どう答えたらいいか分からない…』

｢…とりあえず、これからはグイグイ行くわ｣

『ふふ、覚悟しとく』


距離が短いからすぐにタクシーの前に到着した

『また明日ね』

｢おう、また明日｣





少しの間の至福の時間。



また明日も会えるって考えただけで一日を乗り切れる

Aと出会ってから色々なことがあった

当時の自分に言いたい。

早く仲良くなれって。




ほんで、
答えは1年後でも10年後でもずっと待っとるから
付き合ってくださいって

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