vol.6 ページ7
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「何してんの。ほら、乗れよ」
「・・・なんか意外」
「なんでちょっと引いてんだよ!」
律儀に助手席側のドアを開けてくれた先生が意外すぎて普通に引いてしまった。
シルバーの軽は、中古だそうで。
先生らしくていいと思う。
「ったく、俺だってジェントルマンだっての」
「ブラッド・ピットの顔になってから言ってもらっていいですか?
レオナルド・ディカプリオでも大丈夫ですけど。私の中でのジェントルマンはあのふたりなんで」
「ハードル高ぇなオイ」
正反対もいいとこである。
助手席からぼーっと外を眺めていると、時折カップルが目に入る。
・・・傍から見れば私達もそう見えてるのかな。
(───って何考えてんの私)
あまりにナチュラルに思ったものだからびっくりする。
「どーした桜城、車酔いか?」
先生結構安全運転な方だと思うけど、なんて全然検討違いなことを言うものだから思わず笑ってしまう。
それと同時に、車を運転できる年齢の先生と、まだ免許すら取れない年齢の私の年の差を考えて、胸がキュッと痛くなった。
───
─
約束通り(というより借りを返してもらっただけなのだが)、スタバを奢ってもらった。
「俺が甘いの頼んだらすげー変な目で見られんだよなァ」
「でしょうね、見るからにブラックコーヒーって感じの顔ですもん」
誰がキャラメルフラペチーノを飲むと思うだろうか。
キャラメル色の液体にホイップクリームがのったそれを飲む先生。
似合わないようで、よく似合う。
「130円のいちごミルクがえらくデケェ出費になったじゃねェか・・・」
「自業自得です!」
そうとしか言いようがない。
「家どのへん?」
「・・・わざわざ送ってもらわなくていいのに」
「そんなわけにもいかないのー。
てかほんとはアレだからね、こうして放課後デートもダメだからね」
「・・・デートって」
先生はそう思ってたの?
これって、傍から見ればデートに見えるの?
嬉しいような、悲しいような。
この胸の痛みに気付くのは、まだもう少し先。
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ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて! (2020年9月29日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか? (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぐり | 作成日時:2018年7月5日 21時