vol.５ ページ6
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「うﾞ〜、わっかんない･･･」
放課後、誰もいない教室で数学のプリントと睨み合う。
この前の数学抜き打ちテストでとんでもない点数を叩き出した私は、放課後補習を１週間受けなければいけないことになっていた。
「こんなときに限って坂本先生出張だし〜･･･」
1日1枚、出された課題を坂本先生に提出することになっている。
数学だけはどうしても苦手。
あの神楽にですらバカにされるような点数だ。
もう外も暗くなり始めてるし。
「まだ誰かいんの･･･、って桜城かよ」
「銀八先生、」
「あー、補習ね。
聞いたぞお前。数学2点だってな」
「あﾞ〜言わないでください･･･」
お前だけ小テスト受けてたの？なんて。
100点満点中の2点だから、そう言われるのも無理はないけど。
「どれ、見せてみ」
「先生分かるんですか？」
「先生ナメんなよ。全教科ある程度できんだわ」
「えー、完全にナメてた」
「シバくぞクソガキ」
そう言いながらも適当なプリントの裏に公式を書いてくれる。
時折行き詰まって教科書も見ながらだけど、やっぱり教師なだけあって教え方もわかりやすい。
「先生すごい、ここずっと分からなかったのに」
「そりゃァ教師だからな」
「普段もそうやってちゃんとしてればいいのに」
「普段からちゃんとしてますぅ！」
ったく最近の若い奴は、と完全デフォのセリフを吐きながら煙草に火をつける。
「･･･いや、そういうとこだと思いますけど」
「･･･あ？」
「煙草。全然ちゃんとしてないじゃないですか」
咥えていた煙草を取り上げたはいいものの、どうやって消すんだコレ。
消し方が分からずまじまじと見つめていると、
「何？煙草の味気になんの？キスしてやろーか」
「キッ、･･･そうじゃなくて！
消し方がわかんないんです！」
あーそっちね、と言った先生は私から煙草を取り上げてくしゃりと握り潰した。
「･･･熱くないんですか？」
「熱ィけど死にゃしねェだろ。
いいからさっさと準備しろ」
「準備？」
思わず聞き返した私に、先生はわざとらしくため息をついた。
「外見ろ。もう真っ暗だろーが。
さすがの先生も女子生徒一人で帰らせらんねェよ」
「あとこの間の礼だ。特別にスタバ奢ってやる」
誰にも言うなよ、と唇に人差し指を当てた先生がほんのちょっとだけかっこよく見えたのは、ここだけの秘密。
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ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて！ (2020年9月29日 19時) (
レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか？ (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぐり | 作成日時：2018年7月5日 21時
