vol.4 ページ5
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───真っ青な空、真っ白い雲。
現在地は屋上。
ちなみに今、授業中。
つまるところ、ただのサボりである。
制服が汚れるのも気にせず、かったいコンクリートにごろんと寝転がる。
綺麗な空だなぁ、なんて思いながら目を閉じて深呼吸。
大してリラックスできるわけでもないけど、他学年の体育の授業の声が心地良い。
「・・・サボりか」
「ん、高杉・・・」
ちょうど眠くなってきたところでサボりの常習犯、高杉晋助がやってきた。
「こんなとこで寝るたァ、不用心にも程があるな」
「高杉くらいしか来ないもん」
私の隣に腰を下ろしてぼけっと空を眺める高杉。
それでも絵になるんだから、イケメンは良いよね。
「高杉はさ、教室来ないの?」
なんとなくふと思った疑問を投げかけてみる。
「あンな騒がしいとこ、俺ァ嫌いだ」
「ふふ、だろうね」
だからぼっちなんだもんね、と笑えば鋭い眼光で睨まれる。
「やだ怖い怖い」
「うるせェ」
「ふぁ〜・・・、眠い・・・」
ちょっと寝るね、と高杉に声をかけてから目を閉じた。
───
─
「───ろ、・・・い、起きろ」
完全に眠っていた私は、高杉の低い声で目を覚ました。
「なに、チャイム鳴った・・・?」
「いや、違ェ。・・・ひと雨来そうだ」
空を見上げてそう言う高杉がなんだか面白くて、思わず笑ってしまった。
「・・・何笑ってンだ」
「いや、厨二病・・・。ふふ、」
「誰がだ」
確かに空は曇っていて、今にも雨が降り出しそう。
よっこらしょ、と起き上がったところでお腹に高杉の学ランがかけられていたことに気が付いた。
「・・・これ、ありがと」
「勘違いすンじゃねェ。
スカートが捲れて見たくねェモンが視界に入ったからだ」
「・・・ッ、変態!」
「だからこうして上着かけたんだろォが」
銀八先生の関節キス事件といい、この間から失態続きだ。
・・・あれは完全に先生が悪いけど。
「お目汚し失礼致しましたぁ・・・」
「白たァ、ギャップ狙いってやつかァ?」
「1回死ねば!?」
思いっきり高杉を罵倒して、屋上を出た。
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ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて! (2020年9月29日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか? (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぐり | 作成日時:2018年7月5日 21時