vol.１８ ページ19
side : teacher
「わぷっ、」
少しの衝撃と共に顔の少し下で響いた、可愛らしい声。
どうやらそれは、未提出のプリントを届けに来たらしい桜城のもので。
鼻を押さえて涙目で俺にそう伝えてくるさまは、ドＳ心をくすぐる。
にしてもいつまでも鼻を押さえてるから心配になって、その手をどけてみれば。
「･･･ッ、」
(･･･か、かわ･･･ッ！)
潤んだ目に赤くなった顔、俺と目を合わせまいとするその態度。
全てが俺をあおっているとしか思えないそれに、思わず手に力がこもっていたようで。
「･･･あの、先生。手･･･」
「ッあ、わり！」
咄嗟にその手を離し、時計を確認して送ると伝える。
「いや、自分で帰ります！」
「ダメだ。お前この前襲われかけたんだろ」
「なんでそれ、！」
「俺お前の担任ね。知らねェわけねェだろ」
最も、それを伝えてきたのは高杉の野郎だったが。
柄にもなく嫉妬で気が狂いそうになったのを思いだした。
いいからそこ座ってろ、と後ろのソファに桜城を促し、たった今そいつが出したプリントを採点していく。
(･･･現国の成績は悪くねェんだけどな )
足し算の段階でつまづいていた数学の補習に苦笑いを浮かべ、あれはあれで悪くないと思った。
───
─
「───っし、終わった。
桜城、帰んぞ〜･･･ってマジかよ」
やけに静かだと思っていれば。
(･･･無防備にも程があんだろ)
こんなとこで寝るか？普通。
脱ぎ捨てていた俺の白衣にくるまり、捲れ上がったスカートからは白く細い太ももが覗く。
「やべェな、」
吹っ飛びかけた理性を、声に出すことで呼び戻した。
「桜城、起きろー。
んなとこで寝てっと風邪ひくぞー」
「･･･んー、」
「いや、二度寝すんな！！」
俺に背を向けて再び寝ようとしたそいつに怒鳴る。
そうでもしなきゃ本当に手ェ出しそうだ。
「･･･ッは！私寝て･･･！？」
「割とガッツリな」
勢いよく飛び起きた桜城は、俺の白衣を抱きしめたままだということに気付いていない。
「･･･なァ、」
そいつが座るソファの前にしゃがみ込んだ。
「･･･付き合う、か？」
もう、限界だ。
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ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて！ (2020年9月29日 19時) (
レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか？ (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぐり | 作成日時：2018年7月5日 21時
