Peek a Boo！【坂田銀八】

vol.１１ ページ12

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「･･･Aって、悪趣味アルナ」


「･･･神楽のそういうとこ、嫌いじゃないよ」





一番の親友である神楽に勇気を出して相談してみれば、開口一番これである。

･･･いや、ロクな答えは返ってこないとは分かってたけども。





「そうだよね、趣味悪いよね･･･」


「うん、悪い。
あれのどこ見て好きになったアルカ」


「すごいね神楽、ボロカス言うね」





我が道を行く感じ、好きよ。





(───どこが好き、かぁ･･･)





「強いていうなら、全部？」


「いや結局どこアルカ」


「わかんない、っていうか説明できないの」


「･･･ふぅん」





理解しがたい、という表情の神楽。

そうだよね、神楽はまだ色気より食い気だもんね。





「でも、応援はしとくアル」


「でも相手は教師だよ？
絶対無理だよ･･･」


「そんなもん関係ないネ。
親友のノロケくらい聞いてやれるアル」


「･･･神楽、」





あぁ、なんて男前。いや女前か。





「ちょっとずつアピールしていくのも悪くないと思うアル」


「･･･アピール？」


「告白とか」


「それちょっとじゃないね」





アピールとかいうレベルでもないね。





「んー、じゃぁ何アルカ？
あ、そうだ化粧すればいいアル！」


「え、化粧？」


「うん、Aって化粧しなくても美人だから、化粧すればもっと美人になるネ」


「神楽に言われても嫌味にしか聞こえない」


「八割嫌味アル」


「だと思った」





素直でよろしい。

･･･にしても、化粧なんかしたことないし。





「したことないからこそヨ！」


「うーん、そうなのかなぁ･･･。
でも私、化粧品なんてリップクリームくらいしか持ってないよ」


「姉御に借りるヨロシ」


「そうだね、そうする」





そこで話は落ち着いて、その日は幕を閉じた。




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