10年後雲雀さんには敵いません。 (ページ6)

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変わらない関係6～過去編～ページ6

中学一年生の入学式の日、クラスが発表され、各自教室に入る。
その時香桃葉は雲雀と隣の席になった。
並森中学校は三つの小学校から上がってくるため、同じクラスの三分の一は知らない子になる。

香桃葉は隣ということで、よく雲雀に話しかけていた。
しかし、そのたびに
「僕に話しかけないで。」
「僕は君と馴れ合うつもりはない。」
「ふん、僕には関係ないね。」
などと言われていたため、次第に話しかけることはなくなった。

そんな中、雲雀はいつの間にか風紀委員の委員長として名を轟かせ次第に授業にも、また学級にも来なくなった。

しかし、クールな印象から周りの女子からの評判は悪くなく、香桃葉もまたその一人になるのだった。

それはその年の文化祭の日。
雲雀が校内を巡視していると、誰もいない場所で顔を伏せ体育座りをしている香桃葉を見つけた。

「……なにしてるの。」

雲雀が声をかけると、香桃葉はぐすぐすと鼻をすすりながら答えた。

『…大丈夫です。すみません、こんなところにいたら邪魔ですよね。失礼します。』

そう言って立ち上がってすぐ、長い時間座っていたからなのか立ちくらみが香桃葉を襲った。

ぐらっ

「っ…危ないよ。」

香桃葉は、雲雀の両腕につかまってしまった。

『す、すみません。雲雀さんは、文化祭楽しんでくださいね。』

そう言い残すと、香桃葉は下を向いて歩いていった。