10年後雲雀さんには敵いません。 (ページ16)

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変わっていくもの3 ページ16

仕事をいつもより早く切り上げて、香桃葉は帰ることにした。

「先生しんどい時は早めに帰りなよ。」

主任にそう言われてしまっては休まないわけにはいかなかった。

『ありがとうございます。お言葉に甘えて、今日は早めに帰ります。』

そう言って彼女が身支度をしていると、ちょうど並中から帰ってきた雲雀に会った。

「君、もう帰るの？」

まるで帰るなと言わんばかりの口ぶりに、少し香桃葉は腹がたった。

『はい。今日は少し早めに帰らせてもらうことにしました。体壊しては元も子もないので。』

無愛想にそう答えると、雲雀は「そう」とだけ答えて校長室に消えた。

『(何さあの口ぶり。私が何か悪いことでもしてるみたいに言って。帰る前に会いたいとか思った私がバカだった。)』

イライラしながら身支度を終え、

『すみません。お先に失礼します。』

職員室を出ていった。

香桃葉の通勤は、並森出身ということもあり基本徒歩か自転車である。免許も持ってはいるが、ゆっくり歩いて帰るのが好きなため基本徒歩である。

『今日は自分へのご褒美に、なにか買ってから帰ろ～っと。』

そう言って歩いていると、徐々に意識がぼーっとし始め、そして彼女はゆっくりと倒れた。