変わっていくもの ページ14
「着いたよ。これからも楽しませてね。おやすみ。」
そう言って雲雀は帰っていった。
『お、おやすみなさい…』
香桃葉は悶々としたまま家に入る。
『いや、どういうことなんだろ本当に…。』
『とりあえず、もう寝よ。明日も早いし。』
こうして夜はふけていった。
ー次の日ー
忙しいとはいえ、香桃葉は雲雀の存在が気になっていた。
学校内をスーツの男がいるのだ。
しかもイケメンの。
香桃葉が学校に着くと、女性の先生だけでなく、保護者も雲雀を囲んでいた。
「あの、貴方は先生なのですか？もしそうなら、うちの子のことで相談にのっていただきたいんですが…！」
「いえ、私は教員ではありません。」
ビジネススマイルな雲雀を見たことがなかった香桃葉は驚いた。
『…あの雲雀さんがビジネススマイル…。似合わない…。』
でもかっこいい。
そう誰しも思ったのも束の間、女性の先生が雲雀を職員室に連れ戻そうとする。
「あ、保護者の皆様、申し訳ありませんが雲雀はこれで失礼いたします。」
女性教員がそう言って、雲雀は職員室に戻ってきた。
すると、雲雀は香桃葉に気づく。
「あ、香桃葉。おはよう。」
『おはようございます。凄かったですね…。』
「うん、群れすぎて咬み殺したくなったよ。」
『だと思ってました。』
やっぱりかと思い、香桃葉は笑う。
「なに？僕は真面目に言ってるんだけど。」
笑っている香桃葉を見て雲雀はムッとした。
『いや、変わらないなって思って。』
「なんか子ども扱いされてるみたいで嫌だな。」
『ふふっすみません、つい。では私は教室に行ってきますね。』
「うん。頑張ってね。」
なんだか付き合ってるみたいだなぁと思いながら、香桃葉は教室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：香桃葉 | 作成日時：2020年7月19日 11時
