隣のおにぎり宮さん【ハイキュー】【宮治】

No.019 ▽ ページ19

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久しぶりに会ったそいつはなんだかとても明るく見えた。垢抜けた？って言うのか？まあ分からん。とにかく前より明るかった

隣のお店はおにぎり宮で、宮さんの双子が経営してるおにぎり屋さんだった。開店早々美味しいおにぎりのお店が隣だと教えてくれた。一回牛島さんが買っていて俺も貰った記憶がある







だからこそ気付きたくなかった。






コイツに1番近い友達は俺で、遊んで手料理も食べて、ちゃんと仲良くなってから告白しようと思っていた。生憎恋愛経験は豊富な方ではなく全然分からない。だから順番を踏んで、告白したらいいよと教わったので( 菅原さんに )そろそろ告白しようとしてたんだ。




してたんだよ。




なんだよコイツの熱い視線は
俺に一度も向けたことはないけど知ってるこの目


恋する視線


その先にいるのはバレー選手の宮さんじゃない方
朗らかな微笑を顔に浮かべてひらひらと手を振っている







何年コイツの横に立っていると思ってるんだ

泣いた顔、困った顔、笑った顔、嬉しい時の顔、試合に負けた時の絶望した顔、無理をしている顔、心配してくれる顔、

どれもこれも全部俺が頑張って、見てきた表情なんだ

けれど1番みたい表情は俺じゃない別の男に初めて向けられていた。

都内に店を構えたらいいんじゃないか？と提案したのがダメだったのか？構えた時に隣の店の人と仲良くした方がいいとアドバイスしたのがダメだったのか？

どちらにせよ俺は望まぬ形で愛する人の恋を応援してしまう恋のキューピッドになってしまっていたのだ。
そんな自覚は全く無く、今になってアイツのあの顔を見るまでずっと、俺と付き合ってくれるんだろうな。なんていう漠然とした気持ちでいたのが落ち度だったのであろうか。







「 ？どうした 」

「 ううん、なんでもないよ 」





なにもないフリをして話しかける
なんでもない？嘘つけ、目線はずっとあっちだったろーが
むしゃくしゃして歩みを進める
後ろにあひるの子供のようにひっついてくるA




.






ああもう、こんなはずじゃなかったんだ




.






基本的なベースとしてコイツは鈍感
他のことには目敏いのに自分のことになると
途端に鈍くなってしまう女の子だ


だから絶対に気付かせない






.








その恋する視線。俺に向けてくれよ
負け試合だって分かってるんだ
けれど、仕方ないだろ
諦め切れるわけがないんだ


５年も片想いしてる俺の想い舐めるなよ







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