肆話 ページ13
このままだと、柱会議にて殺される。
だけど、今ここで死ぬわけにはいかない。
炭治郎も禰豆子ももう、寂しい思いをさせたくない。
何より、誰も死なせたくない。
あんなに辛い思いをして、強くなって、鬼を滅ぼして、その後に残るのは？？？
一体何が残るの？？
今この現状はいいとしても、この後は？？
残された人の辛さは
『大丈夫だよ、炭治郎』
「ッ！姉さん…」
『私、何とかするから、早く傷を治しなさいな？』
「…分かった」
炭治郎の頭を撫でて優しく話し掛ける。
きっと匂いで感情ダダ漏れなんだろうけど。
炭治郎から手を離して、しのぶさんに向き合った。
「もういいんですか？」
『えぇ、必ずまた炭治郎達に会いますから』
「あら、自信満々ですね？」
この笑顔、本当は怒ってるんだろうなぁ。
怒ってる時に笑顔になるって、相当辛いのに、それをずっと、誰にも言わないで泣かずに耐えるなんて。
しのぶさん、我慢強いよなぁ。
『はい、勿論ですとも』
「……それではこちらに、」
笑顔で答え返すと、しのぶさんはキョトンとした顔をしてから、また笑顔になる。
案内されて通されたのは、居間のような場所。
ちゃぶ台が置かれていて、しのぶさんが座布団を二つ出してきた。
「さ、座って下さい」
『は、はい』
しのぶさんに促されて座布団に正座する。
うぉぉぉ…緊張する…。
拷問の話しやらなんやらをされそうな気がしないでも無いし、寧ろなんの話を聞こうと言うんだろう？
鬼である事は事実なのに、鬼特有の飢餓も無く、陽の光も大丈夫だ。
怪我も治るし、血鬼術も使える。
炭治郎、善逸君、しのぶさん曰く、鬼の気配やら音やら匂いが一切しない。
鬼か、人か、はたまた別の何かなのか？
私自身にももうこれは分からない。
ぐるぐると考え込んでいると、しのぶさんが口を開いた。
「何から話してもらいましょうか…」
『…』
「鬼になった時の事、人間だった時の記憶が残っているかどうか、それと、…いえ、取り敢えずその二つを話して貰えますか？」
『…はい、鬼になったのは、丸二年以上前の事です。冬の、寒い夜でした。炭治郎はその日は炭を売りに山の麓へと行ってまして、炭治郎だけ、家に居なかったんですけど、家族で寝ていると、鬼が入って来まして、』
「…鬼が、」
『はい、あなた方鬼殺隊が殺そうとしている、鬼の主格、鬼舞辻無惨だと思います』
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うさぎもち - この小説めっちゃ面白いです。更新、楽しみにしてます！！！ (8月6日 15時) (
レス) id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
月 - 面白かったです!これからも更新頑張ってください!（≧∇≦） (2019年11月29日 18時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
あとら - めっちゃ好きです。一気に読んでしまいました！更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年10月24日 22時) (レス) id: f15d6ec153 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年10月24日 19時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花@狐さん | 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月9日 12時
