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3話 異能力 ページ9

そのまま服の下に隠れていると、覆面たちは誰も気が付くことなく、去って行った。

『さて、どうしましょかね……』

人質にならなかったのは良かったものの、見つかれば即殺されることは間違いない。
一旦異能力を解いて、しゃがみ込む。
スマホを開き、警察へと通報した。
これで対処はしやすくなるけど、それまで人質の人達が安全とは限らないが。

助けたいけど、私にその力はない、もっと賢ければなにか思いついたかもしれないし、力があればもっとこう、なにか役立てたのではないかと思う。

この異能力だって、使い方次第では場面場面では凄い力を発揮するのに。
……待てよ、この異能力、確か姿形が変わる時、その速さも体の大きさも変わってくる。
そもそも、この異能力の名前はなんだ?
異能力とは聞かされてるけど、どう言った能力かはきちんと女神から聞かされていない。

『鳥になったら空を飛べる、』

では魚は?きっと水中を泳げるのだろう。
では他の、例えば敦くんは?

異能力を使い、敦くんへと変化、そして_。

『……異能力、「月下獣」』

腕が虎になった。
あぁ、あの女神が言っていたことがよォく分かった。
最強と言っていたのは間違いない。
これは、他人の姿であれば異能力を借りられる。
まさにドッペルゲンガー、幻と言った所か。

だが、他人の異能力を使うのはなんだか申し訳ない。
それに、きちんと使える気がしない。
ならば何になればいいのか。

『……そう言えば、』

実家に住んでいた頃、白いニホンオオカミの話を聞いたことがある。
そのニホンオオカミは矢を射っても、風のように避け、炎の檻に閉じ込めても、無傷で出てきたという、なんとも胡散臭い昔話だ。
だけど、それになることが出来れば。

母から聞いた昔話を、ゆっくりと思い出す。
白いニホンオオカミ、その狼は牙爪ともに鋭く、瞳は青い宝石(サファイア)のようであった。
身軽であり、素早く、捕らえようとする者達を逆に転ばせ、カカカと笑う。
何を行なっても全てを無力化し、自分にとっての脅威はすべて退けた。

『……異能力、「幻」』

両腕が、顔が、白く変化していく。
さて、無事に変化できたわけだけど。
本当に強くなったのかが疑問だ。
だがやるしかない。
単純に時間稼ぎだけでもいい、数を減らすだけでもいい。
服の下から出て、通路を見ると、私のいる側に二人、その向かい側に一人の覆面が巡回していた。

『いっちょやったりますか』

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暁郗 - マフィン……仕様ですよね?? (2021年1月5日 11時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - めっちゃ好みです〜!続き楽しみにしてます! (2020年10月10日 14時) (レス) id: b284cf17d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです〜〜〜!!応援しています!!頑張ってください! (2019年9月19日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 面白いです!好きです!どうか続き更新のご慈悲を…!! (2019年8月5日 1時) (レス) id: e0e3857385 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - おもしろい!!!!応援しています!!!! (2019年7月25日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年6月8日 20時

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