9話 ページ33
リビングに着くと、涙を流す一人の女性と、それを見て背中をさする使用人の女性が一人。
悲しそうな顔をしながらお茶の用意をする男性と女性の使用人が一人ずつ、そして何が何だかわかっていない妹を抱き抱えて泣いている姉の姿。
……これは、家族に愛されてたんだなぁ。
「それで、」と乱歩さんが飴玉の袋を開けながらリビング全員に話し掛ける。
乱「誰が誰なんだい?」
まぁそうなりますよね。
私と乱歩さんは椅子に座り、念の為に敦くんにはその後ろで立っていてもらう。
?「ッ、失礼しました、お見苦しい所を、」
泣き腫らした目でハンカチを握り締める奥さん、澄子さんが先ず最初に口を開いた。
澄「私、主人の妻で、風間 澄子と申します」
澄子さんが一人一人紹介をして行く。
先程まで澄子さんの背中をさすっていたのが使用人の一人、梅沢 香織さん。
お茶の用意をしていた男性の方が床元 八雲さん、女性の方が、第一発見者の酒井 牡丹さん。
そこで私は気が付いた。
被害者の手の下、開かれた図鑑のページは牡丹。
……何か関係あるのだろうか?
注意深く観察しながら、私は一人ずつに話を聞いて行く。
まず最初に質問したのは、第一発見者の酒井さん。
発見当時、どういう状況だったのかを詳しく聞いて行く。
『えぇと、扉はどうなってましたか?閉まってました?』
酒井「はい、閉まっていたと、思います。鍵はあの扉付いてませんので、」
若干言葉に詰まりながらも、質問には答えてくれたし、特に怪しいところは見受けられない。
床元さんの話を次に聞くと、殺人時刻はお風呂掃除をしていたらしいが、アリバイを証明する者はいない。
寧ろ、ここにいる姉妹以外は全員アリバイが成立していないのだ。
しかしここにいる四人のうち誰かが犯人なのは間違いない。
被害者の背中に刺さっていた包丁は、オーダーメイド品で、この家にしか無いものなのだとか。
『成程……ご協力ありがとうございました』
澄「それで、主人は、」
_誰に殺されたんでしょうか。
きっとそう続けて言いたかったのだろうが、どうやらその言葉をあえて飲み込んだようだ。
1431人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁郗 - マフィン……仕様ですよね?? (2021年1月5日 11時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - めっちゃ好みです〜!続き楽しみにしてます! (2020年10月10日 14時) (レス) id: b284cf17d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです〜〜〜!!応援しています!!頑張ってください! (2019年9月19日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 面白いです!好きです!どうか続き更新のご慈悲を…!! (2019年8月5日 1時) (レス) id: e0e3857385 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - おもしろい!!!!応援しています!!!! (2019年7月25日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月8日 20時