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8話 闇 ページ27

国「だざぃいいいい!!!!」

事務所に入る否や、国木田ママンが太宰さんの首根っこを掴む。

国「貴様今日中に書類を出せとあれほど!」
太「そんなに怒ってたら血圧上がるよ?国木田くぅん」

ズルズルと引きずられて行く太宰さん。
そりゃダメだよ太宰さん……、書類はきちんとしないと。
はた、と気がついた国木田さんが太宰さんを椅子に座らせながらこちらを見やる。

国「……そいつらはなんだ、谷崎」
谷「ッはい、先程うずまきで_」

谷崎さんが先程あったことを簡潔に国木田さんに説明した。
眼鏡に光が反射しており、国木田さんの表情は見えないが、眉間にシワがよっているので呆れているか怒っているかの二択だろう。
少しずれていた眼鏡の位置を直しながら、国木田さんがため息をついてから口を開いた。

国「……本気で言ってるのか?」
『本気も本気、凄い本気ですよ』

私が答えると、二度目のため息。
そりゃあまぁ、明らかに未成年者2人が社員にしてくれーって言ってたら対応に困るよね、分かるよ。
等と考えていると、事務所の扉が開かれた。

敦「ただ今戻りまし…何やってるんです?」

目を丸くする敦くんと、その後ろからチラッと覗く賢治くん。
そして敦くんは私の顔を見るなり、驚いた表情をした。

敦「貴女は!……あれ?、でも小さい……?」
『数日ぶりですね中島さん』

異能を使って身体を大人にすると、敦くんに手を差し出した。
周りが目を見開いているが、気になどはしない。

敦「櫻葉さん、異能者だったんですね」
『まぁ、そんな所です』
谷「……えっと、どういう関係で……?」
『隣人です』
敦「それにしても何故ここに?」
『あー、成り行きで』
谷「という事は、そっちの彼女も……?」

元マフィアの時点で気がついて谷崎さん。
実質的には元というか、今はまだ行方くらましてるだけなんだけど、いや、一緒か。

『私の異能力は見た目の年齢を変化させられる能力、鏡花ちゃんの異能力は異形を具現させられる能力なんだけど、制御が効かないみたいで携帯の指示にしか従わない』
太「なるほどねぇ、」

試しにと私が鏡花ちゃんの携帯にかけて、指示を出してみることに。

『……行くよ、夜叉白雪、姿を現して』

私が携帯越しにそう言うと、異形が姿を現した。
カラクリのような顔の造りに、その手に持たれた仕込み刀、夜叉と呼ばれるには十分過ぎるその容姿は、悠然と鏡花ちゃんの背後に立っていた。

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暁郗 - マフィン……仕様ですよね?? (2021年1月5日 11時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - めっちゃ好みです〜!続き楽しみにしてます! (2020年10月10日 14時) (レス) id: b284cf17d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです〜〜〜!!応援しています!!頑張ってください! (2019年9月19日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 面白いです!好きです!どうか続き更新のご慈悲を…!! (2019年8月5日 1時) (レス) id: e0e3857385 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - おもしろい!!!!応援しています!!!! (2019年7月25日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年6月8日 20時

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